特別対談
作家 室井佑月さんX参院議員 たつみコータローさん
野党の皆さんお願い!安倍政権倒して
作家 室井佑月さん
政治を国民の手に必ず取り戻します
参院議員 たつみコータローさん
安倍政権を倒したいと発信を続ける作家の室井佑月さんと、日本共産党参院議員のたつみコータローさんに、日本の政治と社会の現状、政権打倒に向けた課題を語り合っていただきました。「是非とも1度お話したかった」というたつみさんに対し、「国会中継で見ていた“赤い王子”に会える」と実現した対談企画。憲法改正や貧困問題、維新政治と野党共闘など政治課題はもちろん、日本共産党の党名や教育・芸術論にまで話題は広がって…。
たつみ 初めまして!お会いできて光栄です。
室井 私もすごいうれしい!大好きだったの。
たつみ 新聞のエッセイ記事でも書いていただき、見ていて下さるんだなと感じていました。
室井 そうそう、記事でイケメンだって書いたの。だから対談のオファー受けた時、会ってイメージと違ったらどうしようって、いろんな人に聞いたらみんな口をそろえて「いい人だよ」って。
たつみ リサーチまでしていただいたんだ。余計にうれしいです。
室井 いつも大阪弁ですね。
たつみ やはり大阪出身ですから。
室井 国会中継見ていると、話し方が浜村淳さんそっくりで笑っちゃうの。
たつみ 確かに「似てる!」って言われるんですよ。自分では意識していないのですが…。
民主主義を取り戻す
室井 早速ですが、森友問題でごみがなかったって出てきました。あれって大きいですね。
たつみ そうですね。国会で私たちはごみはないと繰り返し追及してきました。将棋で言えば「詰み」の状態ですが、言論の府である国会が、うそとごまかしに満ちた異常な状態です。
室井 もうごみはないってはっきりした。この問題をニュースが取り上げないのもどうかしています。
たつみ 政治への「忖度(そんたく)」が行き着く先というところでしょうか。うそと言えば、加計学園獣医学部の新設計画を安倍さんが知ったのが2017年1月20日という答弁にも驚きました。野党議員が国会で安倍総理はうそつきだと言っても、自民党から抗議も出なかったのです。
室井 みんな認めているうそつきだって。なぜ人気があるか全く分からない。
たつみ 世論調査は「他に適任者がいない」というのが結果です。
室井 えぇー、あの人以外だったら誰でもいい気がするんだけどー(笑い)。
たつみ 確かにそういう声もありますよね。
室井 自民党議員さんで考え方は違っても、発言内容が立派で、決して嫌いじゃない人は結構います。
たつみ 共産党の主張に通じる発言をされる方もいらっしゃいますね。
室井 でも今は、安倍さんに歯向かう人が出てこなくなりました。
たつみ 森友事件でまだ表に出ていない公文書が存在するのです。財務省近畿財務局の職員が自殺に追い込まれた公文書改ざんをめぐる記録です。
室井 それは大問題。
たつみ 国側が「最高裁まで争う」と言って隠し続けようとしている文書です。
室井 この間、「私、忖度しました」って言った自民党議員が役職降ろされたでしょ。
たつみ 安倍さんと麻生さんの地元の道路問題ですね。
室井 最近はっきり気づいたの。安倍さんに迷惑をかけた議員は、絶対に役職を降ろされる。
たつみ そして逆に虚偽答弁を貫いた官僚たちは出世した。形は民主主義だけど、どこかの独裁国家なのかと感じます。
室井 おかしいよね。国民が独裁政治を望んでいるのかな?
たつみ いや決して望んではいませんよ。独裁に見せないように工夫されているだけです。
室井 誰だって必ずいつか首相の地位を降りる日は来るけれど、ただ辞めて終わりってのは駄目。やったことに対する責任は取ってもらわないと。またあんな人が出てきたら困っちゃう。
たつみ 破壊された平和主義や民主主義、そして立憲主義を取り戻すために、必ず安倍政権を倒したいと思います。
貧困は政治に責任が
室井 貧困で困っている人たちを支援したいと一生懸命記事を書いてきたんだけどちっとも政治は変わらなくて、だからもう自分でやることにしました。
たつみ 何をされているのですか?
室井 月1回トークショーのイベントを開いています。子ども食堂を個人でやっているような方たちを、少しでも支援できればと思って。
たつみ そうだったのですね。先日、私も大阪の子ども食堂を訪問させていただきました。
お腹を空かせた目の前の子どもたちを助けるのはもちろん、親の心をケアする大切な場所になっていますね。
室井 とても大事な視点だと思います。虐待事件で子どもが犠牲になると、本当につらい。「許せない」って怒るのは簡単だけど、そこまで追い詰めてしまう闇の根っこに何があるか見ないといけないと思います。
たつみ 子どもが貧困状態に置かれる背景は、親の貧困です。非正規で働かざるを得ない現実など、決して自分の責任ではないのに、「自己責任論」で片付けられてしまう。
室井 私、「自己責任」って言葉は大っ嫌い。本当に強い人っていうのは、弱い立場の人を守る責任と義務があるのじゃないかな。
たつみ その通りですよね。国会議員になる前に、地方議会に3回挑戦しながら、生活支援の現場で働いていました。
実感したのは、貧困は政治がつくり出した矛盾だということです。だから必ず政治の力、人間と社会の力で貧困は解決できるはずなのです。
室井 弱者のためにこそ政治はあるべきで、1番大事なのは、集めた税を公平に分配することだと思います。だから消費税の増税は本当にひどい。
たつみ そうですね。共産党が政策提言すると、必ず「財源は?」と返ってくるのです。それを言うなら、なぜ1機100億円もするF35戦闘機を100機〝爆買い〟するのに、誰も財源を問わないのか、まったく説明がつきません。
野党共闘は大丈夫?
室井 ところで、野党共闘って、どこまで進んでいるのですか?いつもイラッとすることが多く、心配しています。
たつみ 参議院の32ある1人区については、ほぼ決着しました。
室井 大丈夫なのかな?うまくいけばいいんだけど。
たつみ 3年前の参院選では、11選挙区で勝っています。プラスアルファの結果になれば、かなり違ってくると思います。
室井 共産党はいつも候補者を降ろしたりしているのに、あんまり感謝されません。「一緒に街宣車乗りたくない」とか言われて。もっと怒ってもいいのに。
たつみ ハハハ、全然気にしていないですよ。それこそ野党共闘は、2015年の戦争法強行の時、清水の舞台から飛び降りる覚悟で打ち出した方針です。共闘発展のために私たちが何でもするのは、国民の願いがそこにあるからです。
室井 じゃあ今回は自由に選べるの?選挙区とか。共産党は都市部がいいと思うんだけどな。
たつみ 具体的な部分はしっかり意見交換して決めますし、どの選挙区でも、私たちは統一候補の勝利のために全力で取り組みたいと思います。(次回に続く)
(大阪民主新報、2019年6月9日号より)