おおさかナウ

2019年07月14日

大阪を変える「3つの提案」中
8時間働けば普通に暮らせる社会を

特集グラフのコピー 府総務部統計課の「毎月勤労統計調査」によると、大阪の勤労者の2017年の1カ月当たりの給料は、42万7502円(男性・税込み)。ピークの1997年から7万1537円の減少、年間にすると約86万円に上ります。
 大企業がもうけを賃金に回さず、内部留保としてため込んだことや非正規雇用の増加が大きな原因です。
 最低賃金の引き上げ、労働者派遣法の抜本改正や脱法行為への厳しい取り締まりなど、8時間働けば普通に暮らせる働き方が求められます。
 総務省の「就業構造基本調査」によると大阪の雇用者のうち「正規」は、1997年74・2%が2017年には59・7%へとダウン。約4割が「非正規」という状況です。
 収入を比べると、「非正規」の低賃金が際立ちます。
 収入階層別にみると、「正規」男性で一番割合が多いのは年収300~399万円で、同300万円以上は80・6%です。「正規」の女性の場合も年収300~399万円の層が最も多く、年収300万円以上は55・1%です。(グラフ上)
 「非正規」の場合、男女とも最も割合が大きいのは年収50~99万円で、男性で年収300万円未満が82・5%、200万円未満も61・1%に上ります。(グラフ下)
 女性は年収300万円未満96・5%、200万円未満82・9%です。
 労働時間をみると、「正規」男性で、第2次産業36・1%、第3次産業36・7%が週49時間以上働いています。60時間以上も第2次産業12・7%、第3次産業15・4%に上っています。
 「正規」の女性は、第2次産業16・8%、第3次産業で18・3%は週49時間以上働き、週60時間以上は第2次産業で2・9%、第3次産業で5・7%です。(表)
 年300日以上かつ週60時間以上働いている人も「正規」の男性で第2次産業4・1%、第3次産業で2・3%存在します。
 1週間の労働時間が58時間を超えると、時間外労働の過労死ラインとされる1カ月の時間外労働80時間(発症前2カ月間~6カ月間)を超えます。「正規」の男性で第2次、第3次産業とも十数パーセント、女性も数パーセントが常時過労死ラインを超えて働いていることになります。
 一方「非正規」は、年間就業日数200日未満が3割から5割、不規則就業も少なくなく、不規則・短時間労働がいっそうの低収入につながっています。
 転職希望者のうち、就業時間を増やしたいか減らしたいかを聞いた調査(就業構造基本調査)では、「増やしたい」が男性で「正規」が26・6%、「非正規」が72・7%。女性は「正規」4・5%、「非正規」95・5%です。逆に「減らしたい」は、男性で「正規」80・9%、「非正規」18・8%、女性は「正規」68・2%、「非正規」で30・7%です。
 「正規」が長時間労働に苦しみ、「非正規」は低賃金に苦しんでいる実態が浮かんできます。
 8時間働けば、普通に暮らせる賃金を、「非正規」の正社員化を進めるなど、労働者を保護する労働法制、労働行政の確立こそ、所得を増やし、消費のための時間もでき、暮らしを守り、経済も発展させる道筋です。

(大阪民主新報、2019年7月14日号より)

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