参院選火ぶた切る
暮らしと平和 希望ある道を
対決構図は自公維VS日本共産党
日本と大阪の未来がかかった参院選が4日、公示されました(21日投開票)。日本共産党は「暮らし、平和の希望ある道を開こう」と訴え、比例代表での党躍進、大阪選挙区(改選数4)でのたつみコータロー参院議員の再選へ全力。公示前の公開討論などを通して、年金問題、消費増税、憲法改定で、安倍政権与党の自民・公明や補完勢力の維新との対決構図が鮮明になっています。
年金問題
財源示し「減らない年金」――共産・たつみ氏
自公 言い訳と居直り/維新 自己責任を強調
日本青年会議所大阪ブロック協議会が1日、参院大阪選挙区候補によるネット討論を行い、日本共産党のたつみコータロー参院議員、自民党の太田房江参院議員、公明党の杉久武参院議員、維新の東徹参院議員と梅村みずほ氏らが出席しました。
たつみ氏は、一大争点に浮上した年金問題で、「減らない年金」をつくると表明。年金給付を自動削減する「マクロ経済スライド」を廃止した上で、年収1千万円の年金保険料負担の上限額を引き上げるなどで約1兆円の財源を確保する対案を示しました。
太田氏は、「(2千万円問題で)誤解と不安を与えたことは残念」「(年金制度は)持続可能な形で設計されている」と言い訳。杉氏は「老後の暮らし方と制度の維持は分けて議論を」と居直りました。
維新の東徹参院議員は、「立憲民主党や共産党のように、目くじらを立てて政権批判するだけでは駄目」と野党を攻撃する一方、年金を「積立方式」にすべきと主張。維新の梅村氏は、「自分の将来は自分で責任を持つ時代だ」などと、国民の自己責任を強調しました。
消費増税
愚策中の愚策、中止せよ――共産・たつみ氏
自公 増税強行に固執/維新 身を切ってから
たつみ氏は、消費税10%増税に「絶対反対」と表明。8%増税で家計消費が減り、日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)が2四半期連続で景況感は悪化、内閣府の景気動向指数も2カ月連続の悪化だとし、「景気悪化が現実になっている中で、消費税を上げるのは愚策中の愚策だ」ときっぱり。
さらに「消費税に頼らない別の道」で希望ある社会をつくる道を掲げていると紹介。大企業や富裕層に応分の負担を求めることなどで7・5兆円の財源を生み出せることを示しました。
太田氏は「何兆円レベルで恒久財源を生み出すのは大変」と増税強行に固執。杉氏は、破綻が明らかな「軽減税率」「プレミアム商品券」などを“実績”に挙げ、「社会保障を維持するために、(税率)引き上げはやむを得ない」としました。
東氏と梅村氏は消費増税に「反対」としましたが、「増税前に身を切る改革を」と発言。消費税を国民に押し付ける代わりに、自分たちの「身を切る」という理屈に合わない主張を繰り返しました。
憲法改定
自民党9条改憲案に反対――共産・たつみ氏
自民 北朝鮮危機煽る/維新 改憲けしかける
憲法改定についてたつみ氏は、自衛隊を9条に明記する自民党の改憲案について「戦争できる国」づくりを進めるもので、①交戦権否認を掲げた2項が死文化し、海外での無制限の武力行使が可能になる②政府や多数党の一存で自衛隊の行動を無制限に拡大する――という問題点を指摘しました。
元維新の丸山穂高衆院議員の「戦争発言」にも触れ、「権力者を縛るのが憲法。今変えるべきは憲法ではなく、憲法を守らない安倍政権の姿勢こそ変えるべき」と語りました。
太田氏は9条改憲について、「北朝鮮から8秒間でミサイルが届く位置に大阪がある。安全・平和を維持するため賛成だ」と発言。たつみ氏は、朝鮮半島情勢が対話の方向に向かっていると強調し、「対話と外交で解決すべきものだ」と反論しました。杉氏は「憲法の3原則は普遍的な原理として維持する」と強弁しました。
維新は憲法改定に「賛成」を表明。参院憲法審査会メンバーの東氏は、「参院の憲法審査会では、議論すら行われていないのが現状」と不満を語り、「しっかりと議論することから始めなければならない」と、改憲をあおりました。
(大阪民主新報、2019年7月7日号より)