10%増税 何としても中止に
私たちは諦めない
御堂筋で青年業者らデモ
「10%増税中止へ私たちはあきらめない」。10月からの消費税10%増税とセットで導入されるインボイス(適格請求書)制度を止めようと、フリーランスで働く青年らが呼び掛けた「ANTI10%DEMO」(アンチテンパーデモ)が8月25日、大阪市のメーンストリート、御堂筋で行われました。
デモを企画したのは、グラフィックデザイナーのTOMさん(39)と、建設業の栄裕矢さん(25)の2人。10%増税とインボイス制度導入に伴う負担増に危機感を持ったTOMさんが、7月の参院選前に「マジで中小業者は廃業危機ですよ」と発信したツイートがきっかけでした。「私も当事者じゃん。黙っていたらだめ」「インボイス制度が導入されたら生きていけない」など、8500以上のリツイートで拡散され、「立ち上がるのは今、増税中止へ声を上げよう」と栄さんとデモを企画しました。
靱公園(大阪市西区)で開いた集会で主催者あいさつしたTOMさんは、インボイス制度で売上1千万円以下の免税業者は課税業者になるかどうかを迫られるなど、多くの中小事業者やフリーランスが廃業危機にさらされると指摘。8%の現状でも商品は売れず、10%では経営が立ちゆかなくなると述べ、「10%増税で中小フリーランスをつぶしてはいけない。庶民の暮らしを破壊する10%増税中止へ立ち上がろう」と呼び掛けました。
販売会社で働く安居裕子さん(39)は、売上減少にあえぐ経営実態に触れながら、「増税で会社がつぶれるかも、とスタッフ誰もが不安を募らせています。大手だけを優遇して弱い者いじめの消費税を増税する政府のやり方は許せない。皆さんと力を合わせて、消費税のない社会を目指したい」と話しました。
中小事業所やフリーランスの経営者に加え、「居ても立ってもいられず駆け付けた」など、多くの市民も参加し、180人のパレードとなりました。
ベビーカーを押しながら歩いた母親や、親子3人で途中参加した家族の姿も。沿道から手を振って「頑張れ」と激励する人や、隊列に加わる学生グループもいました。
個人事業主の講師として働く男性はツイッターでデモを知り参加。「これまでギリギリの経営で暮らしをつないできました。消費者として負担増の影響も大きいし、10月以降、報酬が事実上切り下げられていく不安もあります」と話し、会社員の女性(25)は「消費税が10%にさらに引き上げられていく未来なんて、受け入れられない。後悔したくないから、私も一緒に声を上げていきたい」と話しました。
デモ終了後、TOMさんは「『増税反対』の口火を切ってくれてありがとうと多くの人に声をかけられました。諦めなんてない。10%中止へ立ち向かっていきたい」と話しました。
ツイッターでは、増税反対の一致点で大阪、関西選出の国会議員、地方議員などにも党派を超えた参加を呼び掛け。日本共産党からは清水忠史衆院議員、辰巳孝太郎前参院議員、渡部結党府国政対策委員長、長岡ゆりこ大阪市議らが参加しました。
(大阪民主新報、2019年9月1日号より)