「カジノあかん!」の圧倒的な世論を
「10・22集会」成功で運動飛躍へ
日本共産党府委カジノ問題PT 中山直和事務局長に聞く
「カジノあかん!夢洲あぶない!ここで万博だいじょうぶ?10・22市民集会」が22日(火・休)、大阪市中央区内で開かれます。集会を前に、カジノ誘致をめぐる情勢や反対運動の課題などについて、日本共産党大阪府委員会のカジノ問題プロジェクトチーム(PT)の中山直和事務局長に聞きました。
――維新の府・大阪市政がカジノ誘致を狙っていますが、いま、どんな局面になっているのでしょう。
中山 2009年10月に橋下徹知事(当時)が「こんな猥雑(わいざつ)な街、いやらしい街はない。ここにカジノを持って来て、どんどんバクチ打ちを集めたらいい。風俗街やホテル街、全部引き受ける」と発言してから、10年が経ちました。今、大阪では、維新と安倍政権によって、大阪を破壊するカジノ誘致が強引にすすめられています。
本来、地方自治体がカジノ業者を正式に募集ができるのは、国が「カジノ管理委員会」を設置し「基本方針」を出した後です。ところが参院選での争点化を恐れた安倍政権が、設置を7月から来年1月に延期したことで、2025年万博開催までの開業をめざす大阪のスケジュールに狂いが生じました。
何でもありでカジノ開業へ
ところが、8月8日に来阪した萩生田自民党幹事長代行は、維新が目指す早期のカジノ開業に自民党が全面的に支援する姿勢を表明(日経新聞フォーラム)し、異常な動きが始まりました。
国が9月に「基本方針(案)」を出し、「カジノ管理委員会」が発足する前に、大阪府・大阪市がカジノ業者の正式募集を行うことを容認したのです。もはや“何でもあり”です。
――9日の大阪市議会では、カジノ誘致に向けた環境アセスメントの現況調査を行う補正予算案が、強行可決されました。
中山 とんでもないことです。現況調査は本来事業者が行うべきものなのに、事業者が決まる前に大阪府・市が代わって、一部を先行実施しようとしいうものです。住民の合意形成もない中、安倍政権に後押しされた維新の暴走です。来年にはカジノ誘致に必要な手続きとして、「議会議決」が行われる可能性があります。
――カジノ誘致には、府民の間に根強い反対世論がありますね。
反対の声広げ署名で顕在化
中山 そうです。ギャンブル依存症の増加だけでなく、金にまつわる犯罪がカジノには付きものです。韓国では、ギャンブルによるマイナス効果が経済効果の4・7倍もあると発表されています。カジノ誘致をストップさせるには、府民の中にある反対の声をさらに広げ、署名を集めて顕在化することが決定的に重要です。
この点では、松井一郎市長や吉村洋文知事も、私たちの運動を非常に気にしています。
9月12日に開かれた政治資金パーティー「大阪維新の会懇親会」で、松井氏は「署名活動やってますから、皆さん間違って署名しないように」と発言し、吉村氏は自分の小学生の子どもが「カジノをやめて福祉にまわせ」というコールを家で歌いだしたと言い、「デモなんてまったく意味ないと思ってたんやけど、効果あるやん」と語っています。
カジノをめぐる緊迫した情勢の中で開かれる「10・22市民集会」は、公共政策ラボ代表の平松邦夫さん(元大阪市長)、弁護士の石田法子さん、絵本作家の長谷川義史さんら16人の多彩な方々が呼び掛けているものです。
集会を必ず成功させ、カジノをつくらせない運動の飛躍を勝ち取とるため、私たちも全力を挙げる決意です。皆さんもぜひ参加して下さい。
10・22集会の主な内容
「カジノあかん!夢洲あぶない!ここで万博だいじょうぶ?10・22市民集会」(主催・同実行委員会)は22日(火・休)午後1時半から3時半まで、大阪市中央区のエル・シアターで開かれます。
神戸大学名誉教授の田結庄良昭さんのミニ講演「夢洲の観光開発は危険でムダ」のほか、ビデオメッセージで全国に広がるカジノ反対運動を紹介。カジノやギャンブル依存症の怖さ、夢洲への集客の危険性などを訴えるリレートーク、連帯あいさつなどがあります。集会後、パレードを予定しています。
参加協力費500円、手話通訳あり。会場へは地下鉄・京阪天満橋駅下車。連絡先06・6358・9439カジノに反対する8団体懇談会。
(大阪民主新報、2019年10月20日号より)