おおさかナウ

2019年10月20日

原発利権の闇は政治史の闇
衆院予算委 藤野保史議員が追及

 関西電力の原発マネー還流疑惑を巡り、日本共産党の藤野保史衆院議員は11日の予算委員会で、原発立地自治体への経産省職員の出向が長年続いたことを取り上げ、政府・自治体一体の原発政策を背景にした疑惑だと追及しました。
 藤野氏は、「『国策』として推進されてきた原発政策と一体不可分の問題」だと指摘。高浜原発3・4号機の増設計画が進められた1978年当時の地元紙を示し、高浜町政のゆがみと〝原発マネー〟は不可分の関係だったと強調しました。
 藤野氏は、高浜原発におけるプルサーマルの推進・実現の時期に合わせて、経産省から高浜町に出向していたと指摘。プルサーマル計画のために人を送り込んだとし、「経産省からの出向者と(関電役員に金品を提供した)森山氏と接触があったのではないか」と追及しました。
 菅原一秀経産相は答弁で、経産省から高浜町にこれまで4人が出向していることを認めた上で、出向者からすでに聴取したとし、「関電役職員が森山氏から金品うんぬんというこの事実については、まったく事情を知らされてなかったということだった」と答弁。出向者自身が森山氏と接触していたか否かには触れませんでした。
 藤野氏は「10年以上にわたって地元にいながら、見たことも聞いたこともないというのは不自然だ」と批判。さらに関電が公表した報告書について、完全版を入手しているはずだと追及し、国会提出するよう求めました。
 国側は、報告書の黒塗り部分には特定会社、個人名などの記述があると公開を拒否しました。
 「全体像を明らかにしなければならない。なぜ隠すのか」と公開を求める藤野氏に対し、安倍首相は「委員会から要請があった段階で判断する」と逃げました。
 藤野氏は、政府の隠蔽姿勢に抗議し、「国策として原発が推進され、地元にゆがみが押し付けられて『ものが言えない』と苦しんできた住民がいる。原発利権の闇は日本政治史の闇だ。本格的にメスを入れるために全力を尽くす」と表明しました。


(大阪民主新報、2019年10月20日号より)

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