カジノや大型開発よりも
市民を守る防災対策こそ
大阪市議会決算特別委 山中共産党市議団長が追及
大阪市の2018年度一般会計決算を審議する市議会決算特別委員会が11日開かれ、日本共産党の山中智子団長が、カジノを核とした統合型リゾート(IR)の誘致はきっぱりやめ、南海トラフ巨大地震や台風・豪雨から市民を守る防災・減災対策こそ進めるべきだと迫りました。
府市共同設置のIR推進局は、大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま)にIRを誘致し、2025年大阪万博の開催前に開業させるとして、国の基本方針の公表を待たずカジノ事業者へのコンセプト募集を行い、国も法整備を急ぐよう求めるなど、前のめりになっています。
山中氏は「なぜこんなに急ぐのか。人を不幸にしてやまないギャンブルの導入に、万博を利用すべきではない」と追及しました。IR推進局が「大阪の成長を早期に発現させるため」などと答えたのに対し、時事通信の世論調査(10月)では、IRの国内誘致に「賛成」が26・6%に対し、「反対」は57・9%と2倍以上に上るとし、市民の反対世論こそ受け止めるべきだと主張しました。
さらに山中氏は、米ラスベガスの訪問客数(16年)は国内3723万人(87%)に対し海外570万人(13%)で、うち海外からのカジノ客は22万人に過ぎないことを示し、「夢洲にカジノができても、外国人観光客が多く来るとは考えられない。大阪周辺の一般市民はじめ国内客が大損するという構図だ」と強調。国民の懐から金を巻き上げ、ギャンブル依存症問題をさらに深刻にするカジノ誘致のお先棒を、地方自治体が担ぐのはやめるべきだと述べました。
防災対策について山中氏は、巨大台風による高潮・高波に備えて、大阪湾岸部での護岸や防潮堤のかさ上げを早期に完了するよう要望しました。
また、東日本大震災の教訓から、災害時の避難行動要支援者の名簿作成が義務付けられている中、大阪市でも地域任せにせず、地域が抱える福祉・子育てはじめ、さまざまな課題に行政が共に取り組むために、小学校区ごとに職員を配置することなどが必要だとし、「大阪市を廃止してばらばらにすることに時間や労力を費やすのではなく、地域を元気にすることに力を注ぐべき」と述べました。
(大阪民主新報、2019年11月17日号より)