野党連合政権へ新たな出発点に
立憲野党シンポ開く
大阪革新懇 「大阪から政治変えよう」
相次ぐ大臣の辞任や安倍晋三首相主催の公的行事「桜を見る会」の私物化疑惑など、モラル崩壊が極まる安倍政権に国民の怒りが広がる中、「安倍政権と維新政治を終わらせ、総選挙勝利で野党連合政権実現を」と、進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)が16日、初の「立憲野党シンポジウム」を大阪市北区内で開き、市民ら100人が参加しました。
政権を取りにいく衆院選に
開会あいさつした常任代表世話人の渡辺武さん(元大阪城天守閣館長)は、安倍政権を倒し、維新政治を退場に追い込むために、次期総選挙では19ある大阪の小選挙区で野党統一候補を実現し、勝利を勝ち取ることが日本の政治を変える大きな力になると述べました。
問題提起した神戸女学院大学の石川康宏教授は、「市民と野党の力で安倍政権を倒し、政権を取りに行く衆院選にしていこう」と力を込めて切り出し、この4年間に市民と野党の共闘が国政選挙を通じて大きく発展し、地方政治でも共闘の輪が広がっていると強調しました。
本質を知らせ希望を伝える
国連「幸福度調査」で過去3回世界一のデンマークを例に、資本主義の国でも政治・社会を変える積み重ねで、豊かな国民生活をつくり出していると指摘。日本でも、ことしの参院選で市民連合と野党が確認した13項目の政策合意の内容が、新しい政治の方向を示していると述べました。
維新については、安倍政権の補完勢力という本質や、大阪市を廃止する「都」構想の狙いなどを的確に知らせることが重要だと強調。選挙での「第1党」である「無党派・支持政党なし」層に向けて、「野党連合政権の構想を示すことで、『政治は変えられる』という勇気と希望を伝えよう」と呼び掛けました。
安倍政治ストップが共通の課題 立民・村上史好議員
魅力ある政策と本気の共闘こそ 共産・清水忠史議員
パネル討論では石川氏の進行で、立憲民主党府連副代表の村上史好、日本共産党の清水忠史両衆院議員が報告しました。
村上氏は、「安倍1強」といわれる国会で、野党が結束してたたかい、大学入試への民間英語試験を導入延期に追い込んだことは「大きな成果」で、「野党が実績を積み重ね、国民から高く評価されることが大切」と強調。清水氏も「野党共闘をさらに広げ、安倍政治を倒したい」と述べると、石川氏も「お二人の発言がかみ合うのも、共闘の成果ですね」と話しました。
2つの逆流とこうたたかう
続いて石川氏は「大阪では安倍政権の逆流に加え、維新の逆流も渦巻いている。これとのたたかいをどう切り開くか」と問い掛けました。清水氏は、維新は「大阪の成長を止めるな」と宣伝するが、大阪の経済は停滞していると反論。大阪市を廃止する「都」構想の狙いやカジノの害悪を、大阪市民はもちろん、大阪府民全体に草の根で知らせ、対話を広げることが重要だと述べました。
「うそとごまかしで本当のことを隠す政治手法は、安倍政権も維新も同じ」と村上氏。「都」構想で「二重行政解消」というが、政令市がある他府県では問題になっていないとし、「大阪市の税収や権限を(府に)吸い上げる方便だ」と指摘。「維新と対決するには共闘しかない。立憲民主党としても知恵を出し、共産党さんや社民党さんとも一つの目標をもって、協力して取り組みたい」と語りました。
安倍政治とは真逆の政治を
「総選挙に向けた構えは」という石川氏の問い掛かけに、村上氏は「安倍政権の悪政にストップをかけるのが、野党共通の課題・目標」と力説。「5野党・会派が、市民連合と交わした政策合意に基づいて各党が努力し、市民と野党の共闘を実現することが各党に問われている」と語りました。
村上氏が「安倍政治と真逆の政治、当たり前のまっとうな政治を」と述べたのを受けて、「その通り」と清水氏。「安倍政権の受け皿として、野党が魅力的な政策を練り上げて希望を届けたい」と述べ、「安倍政権と維新政治という『2つの逆流』とたたかう大阪でこそ、野党が本気の共闘を広げ、魅力ある政策と本気の構えを見せ、今まで投票に行かなかった人たちが、大挙して投票に行く状況をつくり出せれば、勝利できる」と話しました。
尊重し力合わせ内閣打倒へ
国民民主・社民もメッセージ
シンポジウムには、立憲民主党府連代表代行の森山浩行衆院議員、国民民主党府連代表の平野博文衆院議員と社民党の服部良一元衆院議員がメッセージを寄せ、国民民主党府連の玉木潤一事務局長が参加しました。
メッセージで平野氏は、安倍政権を倒し、維新政治に終止符を打つため、互いの立場を尊重し、総選挙などで力を合わせなければならないと表明。服部氏は、政権交代への道筋を大阪から切り開こうと述べました。
(大阪民主新報、2019年11月24日号より)