おおさかナウ

2019年12月22日

森友情報公開請求裁判
情報不開示は違法
大阪高裁が逆転判決

 学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却額をめぐって、国が売却額と値引き根拠を開示しなかったのは違法として、木村真・豊中市議が11万円の損害賠償を国に求めた情報開示請求訴訟の控訴審判決が17日、大阪高裁であり、中本敏嗣裁判長は、一審(大阪地裁)判決を覆し、全額賠償を国に命じました。

原告市議
責任を取らない政治家
真相追及し責任求める

勝訴判決を得て支援者や弁護士らと共に裁判所前に立つ木村真豊中市議(前列中央)=17日、大阪市北区内(写真は高橋もと子さん提供)

勝訴判決を得て支援者や弁護士らと共に裁判所前に立つ木村真豊中市議(前列中央)=17日、大阪市北区内(写真は高橋もと子さん提供)

 木村市議は2016年9月、売買契約書の開示を求めましたが、財務省近畿財務局が大部分を黒塗りにして一部不開示としたため、これを違法だとして17年に提訴。国がその後、公表したため、精神的苦痛を受けたとして損害賠償請求に変更していました。
 今年5月の一審判決では、売却額不開示の判断については十分な根拠がないとして、国に3万3千円の賠償を命令。大幅値引きの根拠となる地下のごみに関する記述の非開示は適法と判断していました。
 中本裁判長は、売却額不開示の違法性を一審判決通り認めるとともに、値引きの根拠についても、「売却価格と同様に公表すべき重要な情報」だと指摘。「開示されたとしても事業利益が害される蓋然性は認められるとはいいがたい」とし、「近畿財務局長が不開示としたことは、国家賠償法上違法」と認め、木村市議の主張通り、11万円全額の賠償を国に命じました。
 木村市議は、「政治家は誰一人責任をとっていない。森友問題がこれで終わるわけではない」とし、引き続き真相追及と責任を求めていく姿勢です。
 木村市議も参加している「『森友学園』問題を考える会」では、「真相究明に不可欠」だとして、佐川宣寿財務省理財局長(当時)の国会証人喚問を求める署名に取り組んでいます。

(大阪民主新報、2019年12月22日号より)

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