おおさかナウ

2020年01月12日

カジノ疑惑噴出中なのに
事業者募集を強行
府・大阪市が異常な前のめり

 大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)へのカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を狙う府と大阪市は2019年12月24日、IR事業者の募集・選定手続きを強行しました。同25日には、カジノ担当の内閣副大臣だった自民党衆院議員の秋元司容疑者(48)=(東京15区。同日離党)が、カジノ参入を目指す中国系企業から不正資金を受け取っていた疑いで東京地検特捜部に逮捕。カジノをめぐる疑惑が噴出する中、「誘致ありき」で暴走する府市に市民団体が相次いで抗議しています。

自民衆院議員が賄賂で逮捕

 府市の募集要項では、カジノの事業期間は35年。開業時期は2025年の大阪万博前を目指しつつ、部分・先行開業を含め26年度末までの開業が前提になっており、来年6月ごろに事業者を選定するとしています。
 カジノに反対する大阪連絡会の有田洋明事務局長は同日、抗議声明を発表しました。国の監督機関である「カジノ管理委員会」がまだ発足しておらず、カジノ誘致を巡る疑惑が浮上している中での手続き開始は、「極めて非常識」と批判しています。
 契約期間を35年とし、府民の反対で自治体側から契約解除を申し出た場合には賠償金支払いの義務を「実施方針案」(19年11月)で明記していることは、カジノ誘致が決定すれば事実上後戻りできないということだと強調。カジノ誘致に反対する府民世論は多数であり、反対署名運動を進めると表明しています。
 「大阪カジノに反対する市民の会」(西澤信善代表)は12月27日、吉村洋文知事(大阪維新の会代表代行)、大阪市の松井一郎市長(同代表)に抗議文を送付。カジノ誘致を推進してきた中心人物が逮捕されるという異常事態が発生している中、府市が全国に先駆けて前のめりで事業者募集を開始したことは、住民無視・法令無視であり、行政の長としての責任は重大だと厳しく批判しています。

カジノから撤退せよ
8団体懇談会代表が声明

 自民党の秋元司衆院議員がカジノ参入を目指す中国系企業から不正資金を受け取ったとして東京地検に逮捕されたのを受けて、大阪カジノに反対する8団体懇談会の桜田照雄代表(阪南大学教授)が19年12月26日、カジノ撤退を求める声明を発表しました。
 声明では、中国系企業の「500ドットコム」が、オンライン・カジノへの参入と「八百長がない日本のサッカー」によるスポーツくじの世界展開という事業戦略によって、カジノ解禁法を強行採決した衆院内閣委員会の委員長やカジノ実施法の担当副大臣だった秋元氏に300万円の「あいさつ料」を渡したと指摘。「社会的な常識が通用しない賭博ビジネスからはさっさと手を引くべき」としています。

(大阪民主新報、2020年1月12日号より)

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