大阪府選挙管理委員会が昨年発表した２０１８年の政治資金収支報告書によると、大阪維新の会（代表・松井一郎大阪市長）が同年９月に開いた政治資金パーティーの収入は９４７４万円に上ります。開催費用を差し引いた利益は７６０７万円で、利益率は80・３％。府内で各政党や政治家が開いた政治資金パーティー（表１）の中でも群を抜いています。

大阪維新の会が開いた政治資金パーティー＝18年９月13日、大阪市北区内

18年政治資金収支報告書で判明

利益は５・５億

　大阪維新の会は結成年の10年９月から毎年、政治資金パーティーを開催。府選管の政治資金収支報告書の各年版によると、12年から各党・団体のパーティー収入で１位の座を占め続けています。10年から９年間の収入総額は７億７０４万円で、利益は５億４９５５万円、利益率は77・７％となっています（表２）。
　また大阪維新の会の議員や首長が18年に府内で開いたパーティーは計57回で、総額２億５８４５万円の収入を得ています。利益は１億６８０６万円で、利益率は65・０％となっています。

形を変えた献金

　政治資金パーティーは、企業などがまとまってパーティー券を購入することから「形を変えた企業・団体献金」ともいわれます。大阪維新の会のパーティーでは16年から３年連続で、株式会社三栄建設（本社・八尾市）が40万円分のパーティー券を購入。同社は大阪維新の会と日本維新の会の本部が入居するビル（大阪市中央区内）の所有者です。
　同社は16年に府の補助金を受け取りながら、大阪維新の会のパーティー券を購入したことが府議会でも問題になりました。
　府は同年から「実感できるみどりづくり事業」を開始しました。府が民間の建築物や学校などから「地域の緑化意欲が高い」企業などを選定し、補助金を出すもの。同事業に認定された三栄建設は７７１万円の補助金を受けており、その見返りに松井一郎知事（当時）が代表である大阪維新の会に献金した疑いが指摘されていました。

資金の大半賄う

　政党助成金は、赤ちゃんから高齢者まですべての国民から１人当たり２５０円の税金を使い、支持していない政党に分け与える憲法違反の制度。日本維新の会が18年に受け取った政党助成金は計13億９３６万円。同年の収入18億２０５８万円（前年からの繰越を除く）の71・９％を占めています。
　大阪維新の会の18年の収入総額は２億２８９万円（前年度からの繰越を除く）で、パーティー収入と日本維新の会からの寄付１億円とパーティー収入だけで収入総額の95・９％を占めています（グラフ）。「身を切る改革」を叫びながら、政治資金パーティーと政党助成金で資金のほとんどを賄っているのが実態です。
　松井代表は昨年の参院選での党首討論で、政党助成金について「政治活動をするための経費として、各政党が受け取るものだ」と発言。返上することも、廃止を求めることも拒否しています。
　日本共産党は企業・団体献金を１円も受け取らないと同時に、政党助成金も一貫して受け取りを拒否し、廃止を主張しています。

(大阪民主新報、2020年1月19日号より）