府予算案 カジノ・万博・都構想に偏重
日本共産党府議団が懇談会
日本共産党府議団は府的団体と市町村議員団との懇談会を、2月13日と17日に府庁内で開きました。石川多枝団長は2月議会で議論される来年度当初予算案について「万博とカジノ、『都』構想、公共交通戦略など、大型開発が乱発され、府民の暮らしはあくまで最低限のセーフティーネットのみが計上されている」と指摘。「府民にしっかり予算を使う府政運営を求めていきたい」と決意を述べました。
府民に予算使う府政運営を
「成長し続ける大阪」を標榜する維新府政に対し、石川氏は「さまざまな指標を見ても、大阪は成長していない」と述べました。府内総生産の伸び率は全国101・1%に対し大阪97・6%と下回ったままです。可処分所得の伸び率(2007年と16年を比較)も、全国100・8%に対し大阪は99・2%です。
正規雇用の割合は、全国が61・8%に対し大阪は59・7%と低く、女性の正規雇用率も低くジェンダー平等は遅れています。国民健康保険料や介護保険料の自己負担が重く、特別養護老人ホームの待機者は一向に減りません。子どもの貧困率は高く、石川府議は、「府民の暮らしは良くなるどころか、逼迫しているのが実情だ」と指摘しました。
団体からは、妊婦の医療費を助成する制度の創出など、多くの要望が出されました。
大商連は「事業者への予算は、府と大阪市を合わせても東京の3分の1、京都の6分の1だ。府にはお金がないのではなく、中小企業支援をやる気がない」と指摘しました。
大阪母親大会連絡会は、アスベストの使用が分かった東大阪市内の学校6校の体育館のうち、2校が改修工事着工の見通しがないままだと告発しました。「子どもたちの命と健康をなんだと思っているのか。カジノやそのためのインフラ整備に使うお金のほんの少しがあればできるはずだ」と訴えました。
大教組は「小・中学校の全学年を35人以下学級にする予算は、教育予算全体の1・数%程度だ。教員の多忙化解消にもつながる。授業準備時間の確保や子どもたちにゆったり関わるために、教員にゆとりが必要だ」と話しました。
府高教は府立高校削減について発言しました。府は維新の会の主導で府立学校条例を制定して以降、府立と大阪市立の高校8校を統廃合し、今後もまた8校を統廃合の対象とする計画です。「条例をなくさない限り、いつまでも廃校が続く」と訴えました。
大私教は「私学経営者はいくら生徒を集めても、経常費補助金が減らされて専任の先生が雇えない。2人に1人が有期雇用だ。維新府政を変えない限り変わらない」と訴えました。
市町村議員団からも、河川の台風・豪雨対策の遅れや府営住宅の応募倍率高騰、医療の確保など多くの質問や要望が出されました。
(大阪民主新報、2020年3月1日号より)