2020年03月14日
大門実紀史の国会レポート
ジェンダー平等で経済も発展
3月6日の参院本会議でジェンダー平等と経済の問題をとりあげました。
私がジェンダー問題に関心を深めたのは、昨年秋に『女性のいない民主主義』(前田健太郎・岩波新書)を読んでからでした。ジェンダーの視点から見直すと、いままでの政治や民主主義は男性支配、優位のもとでつくられた女性「不在」のものだったという分析に衝撃をうけました。目のうろこが落ちる思いがしました。そんなことも気づかないで、これまで民主主義を議論していた自分が恥ずかしくなりました。
男性支配は政治の分野だけではありません。経済における男性優位、男女格差は著しい。
しかし時代は変わりつつあります。欧米の先進国では「男女格差をなくしたほうが企業の競争力も向上し、経済も成長する」という主張が広がっています。多様性の尊重こそが今後の経済を推進する力になるからです。いまや男女格差は人権の問題であるだけでなく、経済にもマイナスです。
ところが日本のジェンダーギャップ(男女格差)指数は、153か国中121位という有り様です。6日の本会議では、男女格差をなくす努力をしないと、日本の経済も企業も競争に勝つどころか世界から取り残されると指摘しました。与党席からも「いい質問だ」と声があがり、ジェンダー平等をほとんど理解していないであろう麻生太郎・財務大臣まで顔をあげてうなずいていました。これからもジェンダー問題と経済の問題を取り上げていきたいと思います。(だいもん・みきし 参院議員 第2週掲載)
(大阪民主新報、2020年3月15日号より)