おおさかナウ

2020年04月05日

大阪市議会閉会
20年度一般会計予算案を可決

 大阪市議会は3月26日、2020年度一般会計予算案を日本共産党以外の賛成多数で可決し、閉会しました。市立天王寺動物園(天王寺区)を21年春から独立行政法人化する議案は日本共産党以外の賛成多数で、水道管の更新を民間に任せる議案は維新と公明の賛成多数でそれぞれ可決。日本共産党の山中智子団長が、予算案に反対する討論を行いました。

新型コロナで市民は苦境
今こそ思い切った支援を
日本共産党 山中智子団長が反対討論

反対討論する山中氏=3月26日、大阪市議会本会議場

反対討論する山中氏=3月26日、大阪市議会本会議場

 山中氏は、消費税増税による景気悪化に加え、新型コロナウイルス感染症が生活や経済に混乱と脅威をもたらしている中、大阪市が市民の困難に寄り添い、暮らしと営業を守ることが求められていると指摘。「予算の修正まで行って学校給食の無償化に踏み切りながら、万博やカジノ誘致のための夢洲開発など、不要・不急の巨大開発を予定通り推進する一方、仕事や収入を失い、途方に暮れる人たちや中小事業者への救済策は全くない」と批判しました。
 新型コロナで自営業やフリーランスなど国民健康保険(国保)の被保険者が打撃を受けている中、保険料を4・2%も値上げすることは「絶対にあってはならない」と強調。府内統一保険料率に向け、保険料軽減のための一般会計からの任意繰り入れは24年度に廃止する方向ですが、「保険料率を決めるのは市町村の権限。一般会計からの繰り入れなど、負担軽減のための手立てをとるべき」としました。
 天王寺動物園の独法化は、採用凍結による飼育員の高齢化、補助金削減による獣舎の老朽化など、市の責任を棚上げした安易なもので、市民のレクリエーションの保障、環境教育・種の保存・調査研究という動物園の重大な使命は果たせないと述べました。
 新型コロナを巡り、公衆衛生や医療、教育、保育などの分野で現在の体制では対応できず、市民の健康や生活に大きな不安や混乱が生まれている中、「乱暴な統合・廃止・民営化で突っ走ってきたことを見つめ直すべき時だ」と指摘。保健所機能と職員体制の強化に努め、府市でつくる大阪健康安全基盤研究所(大安研)は、府市それぞれの直営に戻すことを含めて研究するよう求めました。
 山中氏は「今、国も市民の暮らしも、カジノどころではない」とし、カジノを核とした統合型リゾート(IR)の夢洲誘致は断念し、夢洲開発も中止すべきだと力説。大阪市をつぶし「特別区」に分割する作業や議論を取りやめるよう迫り、「こんな時にあくまで11月の住民投票に固執するなど、市民不在の極み。今やるべきは新型コロナで苦境にある人たちへの思い切った生活支援・営業支援だ」と主張しました。

市立小中校給食を無償化
大阪市議会 全会一致で可決
市民と共産党 一貫して要求

長岡ゆりこ議員

長岡ゆりこ議員

 3月26日の大阪市議会本会議では、20年度の市立小中学校の給食を無償化するための条例改正案を全会一致で可決しました。市は当初、21年度から実施することを検討していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、保護者の経済的な負担を軽減するため前倒しすることにしました。
 無償化の事業費は約77億円で、財政調整基金から取り崩します。4月から1年間、すべての市立小中学生を対象に実施し、21年度以降は、対象の範囲や無償化の手法などを検討するとしています。
 学校給食無償化は、市民の運動と結んで日本共産党が一貫して要求してきたもの。関連議案を審議した24日の教育こども委員会で、日本共産党の長岡ゆりこ議員は、「教育施策として大歓迎。政令市としての豊かな財源と権限を生かしたものだ」と強調しました。新型コロナの感染拡大に伴う一斉休校で仕事に行けなくなり、収入が減った保護者はじめ困っている市民への支援を求めました。

(大阪民主新報、2020年4月5日号より)

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