時代をつないで 大阪の日本共産党物語

第98話 「二重の逆流」とのたたかい

安倍政権、維新政治のもとで

 2018年から19年、大阪では「二重の逆流」との激戦が続きました。
 「安倍政権の逆流」に対して、改憲阻止、「3000万署名」を推進します。大阪を舞台にした森友学園疑惑を、衆参両院で宮本岳志、辰巳孝太郎が徹底追及し、大阪府委員会もプロジェクト・チームをつくり、「森友特集・JCP大阪」号外を連打、学校開設を認可した維新府政の責任を追及。府議団は塚本幼稚園の補助金不正問題を明るみにだします。
 安倍政権と維新が二人三脚で企む「カジノ実施法案」とのたたかいもすすめられます。
 「維新政治の逆流」では、2度目の「大阪市・住民投票」が策されますが容易にすすまず、18年6月には「法定協廃止決議案」がだされ、紛糾します。業を煮やした維新代表の松井一郎は18年末、公明党と結んでいた、「任期中に住民投票を実施する」という「密約」を公表します。

「ダブル・クロス選挙」へ

 公明党は態度を硬化。「法定協」議論は完全に破たんします。すると維新は、知事・松井一郎と大阪市長・吉村洋文がともに辞職し、入れ替わって選挙にでる「ダブル・クロス選挙」の挙にでます。19年3月18日、日本共産党大阪府委員長の柳利昭は、「政策、立場の違いを超えて、『維新政治を転換してほしい』という府民各界各層の願いを受けとめ」、「大阪都を終わらせる」と出馬した知事候補・小西禎一(元副知事)、市長候補・柳本顕(元市議)を自主的に支援する態度を表明します。
 しかし、自民党府連指導部は安倍政権のもと、共同姿勢は貫けず、維新の「野合攻撃」を利する態度をとりました。結果は、知事・市長ともに維新が勝利。同時にたたかわれた議員選挙では、日本共産党は府議2、大阪市議で4、堺市議4というきびしいものになりました。

衆院大阪12区補選と参院選      

元公明党政審会長の二見伸明さんや精神科医の香山リカさんも駆け付けた市民と野党の共同スピーチで、聴衆の声援に応える宮本候補ら=2019年4月14日、寝屋川市内

 ダブル選挙直後、衆院大阪12区補選が始まります。日本共産党衆院議員の宮本岳志が自ら議員バッジを外し、無所属・野党共闘候補として立ちます。立憲民主党の枝野幸男、国民民主党の玉木雄一郎ら、衆参50人以上の現職・元職議員がかけつけるなど、反響を呼びました。宮本は敗北したものの、その後の「市民連合」と5野党党首の政策合意、選挙協力、政権協力合意へとつながりました。
 7月の参院選は、1人区すべてで野党候補が一本化され、10選挙区で勝利、改憲勢力が3分の2を割ります。日本共産党は比例4議席と東京・京都・埼玉の選挙区で勝利しましたが、大阪の辰巳孝太郎は38万1854票を得たものの、及びませんでした。
 大阪のたたかいについて、幹部会委員長の志位和夫は、「大阪の党は…『二重の逆流』に抗して、日本政治の最前線でたたかってきました。それゆえの厳しさ、難しさもあり、そのたたかいのなかで少なからず傷ついてきたことも承知しています」(4月府活動者会議へのメッセージ)、辰巳の議席を失ったことは悔しいが、「大阪のたたかいは『二重の逆流』に堂々と立ち向かった立派な闘いだった」(7月党創立97周年記念講演)と励まします。
 大阪府委員会は8月、日本共産党創立100周年へ、新事務所建設事業を発表します。9月には、「野党連合政権へ協議を」と立憲民主党府連に協議を申し入れます。「二重の逆流」打破へ、新たなたたかいが開始されます。(次回は「再度突き付けた『都構想ノー』」です)

(大阪民主新報、2022年7月3日号より)

 

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