下された府民・大阪市民の良識
「大阪都」構想はきっぱり断念を
「協定書」の否決にさいして
2014年10月27日
日本共産党大阪府委員会委員長 山口勝利
○ 本日、大阪市会は、「維新の会」が単独で決めた「協定書」を「維新の会」以外のすべての会派によって否決しました。何重にも無法を重ねた暴挙を、府民・市民の良識の力ではねかえした勝利といえるものです。
○ 「協定書」が否決されたのは、議会論戦などをへて、その中身も、手法のでたらめさもうきぼりになったからにほかなりません。
「大阪都」が、いまの大阪市を解体し、その権限・財源を「都」にすいあげるものであること、その狙いが「カジノ」や「なにわ筋線」、さらに「リニア」などの巨大開発をやりたい放題にすすめることにあること、そのための財源は市民サービスの徹底した切り捨てと「なんでも民営化」によって生みだすものであること――市民にとって何の利益にもならず、府政・市政のゆがみを極限まで拡大することが明らかになっています。
橋下市長らが、みずからの意に沿わない委員を「法定協議会」から排除し、その正常化を求めて議会開催を求めた過半数の議員の要求をじゅうりんし、「協定書」の「議決」という暴挙を企てたことには、世論調査でも七割近い市民が批判を寄せていました。「協定書」否決によって、この点でも明瞭な審判が下されました。
○ 重大な問題は、議会で明白に「ノー」と結論が下されたにもかかわらず、橋下市長らが、議会を無視して、首長が勝手に決める「専決」処分によって、「協定書」を「住民投票」にかける構えをみせていることです。追われる彼らは、「住民投票のための住民投票」署名など、議会の意思を踏みにじる運動を主張し、「専決」への土壌づくりにのりだしています。
「大都市における特別区設置法」には、「協定書」は「それぞれの議会に付議して、その承認を求めなければならない」とされ、承認がなければ、「住民投票」にかけることはできないことが明記されています。また「地方自治法」には、「専決」ができるのは「議会が開けないとき」「緊急を要するとき」「議会が議決しないとき」など、きびしく限られた条件がつけられており、今回はそのどれにもあてはまりません。
橋下市長らは、議会の決定と市民世論を重く受け止めなければなりません。議会承認なしの「住民投票」は、法も、地方自治と民主主義のルールもじゅうりんするものです。いかなる理由をつけようと、断じて許されません。
○ 議会否決のうえにたち、橋下市長らは「大阪都」構想をきっぱり断念すべきです。さもなくば、先の府議会で議席数に応じた委員を選び直し、正常化の条件を整えた「法定協議会」をただちに開催し、いまの「協定書」を白紙にもどし、「法定協議会」でも、議会でも、市民のあいだでも、徹底的に時間をかけて議論をつくすことです。
日本共産党は、この点で一致する各党、団体、広範な市民のみなさんと共同して、議会内外で力をつくします。