政策・提言・声明

2020年10月21日

大阪市廃止の企みを打ち砕き、
コロナ危機から市民の命を守る大阪市を

2020年10月21日

日本共産党大阪府委員会 新型コロナウイルス関連対策本部

 大阪市を廃止して4つの特別区を設置する住民投票が、11月1日投票で始まりました。新型コロナウイルス感染拡大が繰り返す中での大阪市廃止の企てに、医療や介護、保育、教育関係者などからも怒りの声が上がっています。

いますぐ感染拡大防止策を

 “第2波”に襲われた7月1日から9月30日までの3カ月、大阪府内の新型コロナ陽性者で亡くなった方は112人に上ります。同時期の東京都の83人と比べ、大阪府の死者の多さは際立っています。死者が増えた理由は高齢者施設や病院におけるクラスターが多発したためです。

 とりわけ大阪市の状況は深刻です。感染率は大阪市を除く府内市町村の2倍から3倍に上っています。大阪市の人口は府全体の3割ですが、死者は5割を超えています。

 8日、府の対策本部会議では、「大阪市で感染が拡大し市外に伝播している」という厳しい認識が示されました。ところが府内で46カ所設置されている、保健所を介さない地域外来検査センターは、大阪市内では4カ所にとどまっています。大阪市内でこれまで行われた検査数は、人口当たりで東京都の2分の1しかありません。

 感染拡大を防止するためには、高齢者施設や病院などの利用者や従事者への定期的な検査が必要ですが、「一律に検査対象とすることは困難」(吉村知事)と背を向けたままです。

 大阪市内で検査が受けられない状態が続いても、松井市長は「(検査は)代わりに大阪府にやってもらった」などと開き直り、全く反省していません。それどころか、「コロナ禍だからこそ都構想が必要」(維新プレス号外)と居直る姿勢に、いまコロナ禍で苦しむ府民・市民への誠実さはみじんもありません。

 感染拡大の指標「大阪モデル」の基準を緩和したのも、“赤信号”点灯で住民投票が中止となることを避けるためと言われています。

 大阪市廃止=「都」構想が、大阪の新型コロナ対応の障害になっていることは明らかです。

くらしと営業を守る施策を

 コロナ禍で市民の暮らしと営業は深刻です。ところが大阪市独自の給付や施策は、他の政令指定都市や府内市町村と比較しても極めて乏しいものとなっています。市の貯金である財政調整基金は1300億円にものぼりますが、十分に活用されていません。

 「都」構想では、特別区が財源不足に陥った際は、財政調整基金を活用するとされています。しかし市の貯金は「都」構想のためではありません。大阪市廃止をストップし、まさにコロナ禍の今こそ市民の命とくらし・営業を守るために活用するべきです。

 万が一、大阪市廃止が決まれば、特別区設置までの期間、職員を膨大な作業に従事させることになり、新型コロナ対策に大きな障害をもたらすことになります。地域医療を守る医師会からも、「地域住民の健康保持に大きな影響が出る」(住之江区医師会)など「都」構想反対の決議が上がっています。

 特別区設置で保健所は4つになると言いますが、職員数はほとんど増やさず、専門性や機動力などは大幅に低下します。大阪市のまま職員を増やすなど体制を強化し保健所を増やすことこそ必要です。

 市民の力で大阪市廃止の企みを打ち砕き、暮らしと営業を守り、コロナ危機から市民の命を守る大阪市をご一緒につくることを強く訴えるものです。

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