政策・提言・声明

2020年11月02日

住民投票勝利
――大阪市民の良識の力による歴史的勝利

2020年11月2日  日本共産党大阪府常任委員会

(1)

 11月1日、大阪市民は「住民投票」で、再び「大阪市廃止」にきっぱり「反対」をつきつけ、歴史的勝利を収めました。何よりも「130年の歴史を持つ大阪市をなくしてはならない」と良識の力を発揮されたみなさんに心から敬意を表します。また、くらしに直結する大都市制度の改変という重い選択が迫られるなか、「賛成」に投じたみなさんの多くも大阪の変化・改革を願ってのものでした。ともに手を取り合って、新しい大阪市をきずくための歩みをすすめたいと思います。

 勝利のために力をつくしたすべての市民、各層・分野の市民団体、「大阪市をよくする会」「明るい民主大阪府政をつくる会」、党員と支持者のみなさんに心から敬意を表します。近畿・全国から支援・激励を寄せられたすべてのみなさんに心から感謝します。

(2)

 「住民投票」をめぐっては、昨年のダブル選挙での「維新大勝」のもとで、公明党が態度を急変させ、「法定協議会」や市議会、府議会では政党間の力関係が変わり、困難なたたかいを余儀なくされました。そのなかでも大阪府委員会は昨夏以来、「闘争本部」を設置し、「大阪市内合同会議」の定期開催など、勝利をめざす構えと諸方針を定め、臨みました。

 住民投票では、維新が公明党と野合し、その「数の力」と資金を背景に、大量のビラやTVコマーシャルなどを重ねるとともに、「デマに対する回答」を「大阪府市副首都推進局」にやらせるなど、異常な「大阪市役所ぐるみ」を展開しました。

 しかし、これらは大阪市民の良識の前に通用せず、逆に大きな批判が生まれ、維新の側に大きな矛盾と焦りをもたらすことになりました。

 「大阪市をよくする会」「明るい民主大阪府政をつくる会」がたたかいの先頭にたち、党も総力をあげました。平松邦夫第18代大阪市長、小西禎一元副知事、立憲民主党、社民党代表も参加した10・1中之島集会、「まるわかりパンフ」140万部の発行、全戸配布とともに14日間にわたって市内100カ所で展開した「日刊ビラ」、市民との「100万対話」などの活動を進めました。

 多くの市民諸団体がそれぞれの立場から「大阪市廃止反対」の多彩な活動をくりひろげました。市民一人一人が手作りビラやポスターをつくって立ち上がり、SNSでも連日発信・拡散されていきました。全国から著名人・文化人の多くのアピールが発信されました。最終日には市民と野党の共同宣伝がおこなわれ、共同の力が発揮されました。

(3)

 住民投票の論戦をつうじて、①「大阪市の廃止か、それとも130年の歴史をもつ大阪市の存続か」、②「権限・財源を奪われたなかで住民サービスの低下か、大阪市の力を生かした拡充か」、③「コロナ禍でなおカジノ、インバウンド頼みを続けるのか、命と福祉、暮らし第一へ転換するのか」という焦点がくっきりとうかびあがりました。「明るい会」「よくする会」は宣伝物とともに、告示後4回にわたる記者会見をつうじて、論点と維新の主張・手法の問題点を明らかにしました。テレビ討論は告示前後10回おこなわれ、公開討論もあり、「反対派」を代表する日本共産党の姿が鮮明になり、山中智子市議団長らの訴えが茶の間でも広く共感を集めました。

 無党派層などへの働きかけのうえで、「反対」を押し付けるのではなく、情報提供をすすめながら、ともに対話し、判断を促す方法は重要でした。

 松井市長らは、論戦で追い詰められ、終盤には、市財政局がだした「218億円」負担増資料をめぐって「毎日新聞バッシング」「財政局長へのパワハラ」など異常極まるやり方で批判をかわそうとしました。しかし、こうした維新の手法そのものが市民にあいいれず、逆に、彼らの墓穴を掘るものとなりました。

(4)

 今回の勝利は、大阪の前途に希望をもたらすとともに、維新の政権補完と野党共闘つぶしの野望に打撃を与え、国政にも大きな影響を与えるものです。

 同時に、維新政治を転換し、大阪市政、府政を市民の手に取り戻すたたかいは、いよいよこれからです。

 大阪市の持てる大きな権限・財源を使って、新型コロナ対策をはじめ、福祉・医療・教育・防災・中小企業支援に力を注ぎ、市民の誰もが安心でき、市民の声で動く自治体づくり、真の経済成長をとげる街へと変えていくことは、今回「賛成」に投じた方を含め、垣根をこえた市民大多数の願いです。今回発揮された市民の良識と共同の力をもとに、この道に大きく踏み出そうではありませんか。

 日本共産党はその先頭にたつとともに、党の力量をさらに強め、来るべき解散・総選挙で菅政権とその補完勢力となる維新を少数に追い詰め、「野党連合政権」をきずくために全力をあげるものです。

 

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