「府市広域一元化」に向けた条例案について
2021年1月23日
日本共産党大阪府委員会 維新対策本部責任者 中村正男
一、22日、「副首都推進本部会議」で2月府議会・大阪市会において提案する「府市一体化・広域一元化に向けた条例」なるものの骨子を決めました。
その中身を見ると、①「副首都の実現に向け、過去の二重行政に戻すことなく府市一体の大阪を継承・強化し、今後の成長に関する方針の統一や、一体的なまちづくりに資するよう、必要な事項を定める」などと位置付け、②「副首都推進本部会議」を条例で明記し、③「成長やまちづくりに関するもの」を対象とし、既存の共同設置機関等を条例で明記し、「まちづくり関連などの事務の委託」をはかる、というものです。
副首都推進本部会議では、具体的に対象となる施策として、「うめきた2期」や「なにわ筋線」「阪神高速淀川左岸延伸部の整備」など、すでに府・市が一体ですすめてきているものをあげました。そして、この条例を「4月1日から施行」とのべています。
一、わが党は、昨秋の「住民投票」直後に吉村知事、松井市長らが「府市広域一元化条例案」「8区総合区案」をうちだした際、それは「都構想ノー」という民意にも、地方自治の精神にも真っ向から背くものだときびしく批判しました。
今回議論された「条例骨子」の中身をみると、当初吉村氏らがあげていた「427事務、2000億円」規模の権限と財源を大阪市から府に「移譲」するというとんでもない構想はとん挫しています。同時に、「今の形をルール化するもの」(松井市長)などとうそぶき、手を付けやすいものにしぼった今回のやり方は、「条例」という形をとれば、「副首都推進本部会議」を「一つの司令塔」にして、今後いくらでも規模、対象を広げられると企図したものです。府と大阪市の意思決定や議会の議決をしばり、大阪市は自らの都市計画を決定できなくなります。「事務委託制度」を「府市一元化」のために濫用することも許されません。その中身も、手法も、地方自治とはあいいれません。
また、吉村知事、松井市長は、「住民投票」敗北のもとで、維新の「一枚看板」である「都構想」を正面から口にすることはできなくなりました。しかし、「府市一体化」の旗をかかげつづけなければ組織がもたないこと、ひきつづき公明党にゆさぶりをかけることを狙いにしているのでしょう。
しかし、こんな党利党略で事実上の「大阪市つぶし」、権限財源の吸い上げを策すことは、「住民投票」同様に、彼らの墓穴を掘るものになるでしょう。
一、わが党は「大阪市をよくする会」「明るい民主大阪府政をつくる会」はもとより、「住民投票」でともにたたかった広範な団体・個人とともに、政治的立場をこえ、「住民投票の民意を守れ」「大阪市の権限・財源吸い上げを許すな」の声と行動を集め、この条例案を許さないために全力をつくします。