維新による府議定数削減の強行は民意切り捨て
多様な意見を反映する府議会への改革こそ
2022年2月24日
日本共産党大阪府委員会選対部長 谷藤久
大阪府議会は本日、現在88の府議会議員定数を選挙区割りは変えずに79に削減する維新の会の案を、維新・自民・公明などの賛成で可決しました。これは民主主義を後退させる重大な改悪であり、わが党は反対しました。
わが党がかねてから指摘してきたように、この定数削減は、民意を切り捨て「法の下の平等」を侵すものです。現状でも全選挙区の6割弱を占めている1人区が7割近くとなり、死票がさらに増えます。さらに、現状で最大2.15倍の「一票の格差」が2.19倍へ拡大します。
また、府民要求の実現や行政のチェックなどの議会の役割を、議員数減により弱めるものです。維新は提案に際し「人口当たりの議員数を全国最小値とする」などと述べていますが、なぜ「全国最小値とする」のかの根拠は全く示さないままです。
公開の場での議論や意見表明を一切させずに採決を強行した府議会運営も、極めて異例で非民主的です。わが党は、採決する前に議会で質疑を行うことを正副議長に求めましたが、維新は「議会改革検討協議会」という非公開の場で意見交換を行ったことを理由に拒否しました。自民・公明は、過半数の議席を持つ維新の案の共同提案者となるとともに、議会での議論なしでの強行採決に合意しました。
コロナ対策を始め、福祉の向上や大阪のまちづくりなど、いま大阪府議会が果たすべき役割は山積しています。そんな時に、府議会の機能を弱め二重三重に民主主義に背く今回の定数削減を強行したことは、大阪の未来に重大な禍根を残すものです。
わが党は、今回の府議定数問題にあたり、いくつかの選挙区の合区により「一票の格差」を最大1.95倍に縮小、1人区を3割弱に減少する改正を提案しました。これからも、多様な意見を反映し府民のために働く大阪府議会への改革を目指し共同を広げます。
また、改悪された制度のもとで1年後の府議会議員選挙が行われたとしても、議席を必ず獲得し前進するために全力を尽くします。