参議院選挙アピール
日本共産党の躍進で、「自民・公明・維新の翼賛
勢力」を打ち破り、平和・くらしを守り、未来ある大阪へ
2022年6月15日 日本共産党大阪府常任委員会
1、参院選の政党構図ーー「自民・公明・維新の翼賛勢力」か、「日本共産党」か
危険な逆流を許さない
参院選が目前に迫りました。
今回の参院選は、ロシアによるウクライナ侵略に乗じ、維新が「9条改憲」「軍事費GDP比2%の大軍拡」「核兵器共有議論の開始」を公約にかかげ、自民・公明と「翼賛体制」を組むという危険な逆流がおこるなかでたたかわれます。物価高騰が府民生活に深刻な影響を与えています。大阪へのカジノ誘致をめぐって、多様な市民運動が広がり、「カジノ・ノー」の声が高まっています。
このなかで、「『軍事対軍事』で危険な戦争への道か、憲法9条を生かした外交で平和を守るのか」「『アベノミクス』のような冷たく弱い経済か、やさしく強い経済か」「カジノで大阪を壊すのか、庶民のふところを温めて大阪をよみがえらせるのか」。大阪での3つの大きな政治的争点が浮かび上がっています。
日本共産党は、どの問題でも、「自民・公明・維新の翼賛勢力」と正面対決し、平和とくらしを守り、未来ある大阪をきりひらくために力をつくします。
自民・公明と翼賛化し、支持者の期待に背く維新
昨年の総選挙で大阪の維新は「自公政権をピリッとさせる」(松井代表)などと「野党ポーズ」をとり、「自公政権を何とか変えてほしい」と願う府民の支持を集めました。しかし、この参院選では、どの問題でも自公政権をより危険な方向に引っ張る役割を果たしています。
大阪の問題をめぐっても、コロナ対策では全国ワーストの感染死者を生み だし、「府市一体」で対策を打つどころか、府政は医療病床削減を続け、大阪市政はすべて「府」に丸投げで、感染者の登録さえ怠る事態まで引き起こしました。「カジノ誘致」のために「税金を使わない」どころか、790億円もの公金を注ぎ込もうとしています。「二重行政のムダ」ではなく、「維新政治のムダ」が問われています。
これらは、総選挙で維新に投票したみなさんの期待に背くものではないでしょうか。
逆流に立ち向かう日本共産党
日本共産党に対し、「こんな時に野党らしい野党としてがんばってほしい」と激励が寄せられます。同時に、「反対ばかり?」「政策に現実性があるの?」「ロシアと同じ?」などの疑問も寄せられます。
党大阪府委員会は、新しい「大阪の日本共産党まるわかりパンフレット」を発行しました。このアピールとともに、日本共産党ならではの政策、姿をぜひご覧ください。
日本共産党の躍進・勝利が野党共闘の道をきりひらく
2013年参院選での比例代表での躍進と大阪選挙区たつみコータロー勝利、2014年総選挙での躍進は、その後の市民と野党の共闘の流れをつくりだし、「反維新の共闘」の力で、二度の大阪市・住民投票では「都構想ノー」を示す力になりました。
大阪と日本の命運がかかった参院選で、日本共産党は、比例代表70万票を獲得し、大門みきし参院議員はじめ5議席の実現、大阪選挙区たつみコータロー勝利で、「自公政権・維新の翼賛勢力」を打ち破るために総力をあげます。
2、くっきり浮かび上がる3つの争点
(1)憲法9 条をいかした積極的な外交で平和をつくる政治に
参院選で問われる争点の1つめは、「『軍事対軍事』で危険な戦争への道か、憲法9条をいかした外交で平和を守るのか」です。
自民や維新が狙う「9条改憲」の狙いは、憲法が禁じてきた海外での武力行使にあり、「敵基地攻撃能力の保有」は、国民を戦争に巻き込む危険きわまりない道です。「大軍拡」は、くらしや社会保障を押しつぶします。
維新の「核共有」論に対して、被爆者団体から「怒りに震える」「撤回を」と怒りの声があがっています。被爆国の政党としての資格が問われています。松井代表は「非核三原則は昭和の価値観」などといいますが、「核兵器禁止条約」を実現した世界の流れが見えないのでしょうか。
日本共産党は、憲法9条をいかした外交で、ASEAN(東南アジア諸国連合)の国ぐにと協力し、東アジア地域全体を包摂する、対話と協力の枠組みづくりをめざします。この道こそ「二度と戦争はイヤ」という平和の願いにこたえ、現にある枠組みをいかした現実的な構想です。
核兵器の使用を前提とした「核抑止力」はもはや通用しません。核兵器廃絶の実現をめざし、日本政府が一刻も早く核兵器禁止条約を批准することを求めます。
(2)物価高騰からくらしを守る―「やさしく強い経済」に転換を
争点の2つめは、「『アベノミクス』のような冷たく弱い経済か、やさしく強い経済か」です。
物価高騰は、「新型コロナ」と「ウクライナ侵略」だけでなく、「アベノミクス」以来の「異次元の金融緩和」がもたらした円安による輸入物価高が原因です。
くらしが苦しいのは、弱肉強食の「新自由主義」のもと、賃金が減らされ、社会保障が改悪され、消費税が連続増税されたからです。
「新自由主義の転換」を言っていた岸田政権は、結局は「アベノミクス」の「3本の矢」を堅持して路線を変えず、物価高騰のなかで年金削減、医療費負担増をすすめています。
維新は、自公政権と二人三脚で、この路線をおしすすめてきました。関西財界・大企業は「アベノミクス」で大儲けし、この間14兆円も内部留保を上積みしています。さらにいま、「消費税16%」「医療費一律三割負担」を叫んでいます(関経連)。維新はこれにものを言わず、「日本大改革プラン」で「首切り自由」を含む規制撤廃をうたい、大企業がさらに儲けやすい日本と大阪への道をすすめています。
日本共産党は、弱肉強食の「新自由主義」を終わらせ、「冷たく弱い経済」から「やさしく強い経済」に転換する5つの改革を提案します。これは物価高騰からくらしを守るとともに、府民にやさしい経済をつくることで真に成長する「強い経済」をつくるものです。
①物価高騰から府民のくらしと経営を守るのにもっとも効果的な対策――消費税5%への減税を緊急実施します。免税業者やフリーランスに納税義務を広げ、大打撃を与えるインボイス(適格請求書)制度は中止します。日本共産党と野党が共同で提出した「消費税減税法案」成立に全力をつくします。
②政治の責任で賃金を引き上げ、日本経済の5割以上を占める家計消費を拡大し、設備投資を増やし、経済の好循環をつくります。大企業の内部留保に課税し、企業が賃上げを行えば、その分を減税する制度をつくり、賃上げに誘導します。内部留保課税で生まれた10兆円を、中小企業支援に使い最賃を引上げます。大阪での25歳の一人暮らしには月24万4951円=時給1633円が必要です(大阪労連調査)。当面、全国一律・時給1500円に引き上げます。
③社会保障と教育予算を経済力にふさわしく充実させ、家計を支え、新たな雇用と投資を生み出し、大阪経済を活性化させます。年金引き下げは中止し、75 歳以上の高齢者の医療費2倍化は中止します。介護・障害福祉・保育など、ケア労働者の待遇を抜本的に改善します。大学の学費の半減、入学金の廃止、給付奨学金の拡充をします。
④気候危機打開へ、エネルギー自給をめざし、省エネと一体の再エネの大規模普及をすすめます。原発ゼロを実現し、石炭火力から撤退します。
⑤日本のジェンダー不平等の根っこにある男女の賃金格差をなくします。企業に格差の実態を公表させ、是正計画をつくらせ、しっかり監督し、年収240万円もの格差をなくします。党大阪府委員会は「痴漢被害の実態アンケート」を実施し、必要な対策を働きかけてきました。痴漢・性暴力をなくし、選択的夫婦別姓を実現します。
(3)カジノ誘致ストップ、庶民の街・大阪をよみがえらせる
争点の3つめは、「カジノで大阪を壊すのか、庶民のふところを温めて大阪をよみがえらせるのか」です。
カジノは刑法が禁じる賭博です。ギャンブル依存症が家庭を壊し、犯罪が増え、くらしも経済も破壊します。
「カジノには一円の税金も使わない」との公約を反故にした維新が、夢洲の土壌改良に790億円もの大阪市負担を決め、国への申請を強行しました。その空想的な計画の内容も、府民不在の進め方も、酷いものです。
米国のカジノ事業者が「2%の確率でギャンブル依存症が発症」(大阪市会)と認めました。このままでは10万人単位の依存症患者が増えてしまいます。韓国では政府機関が年間7兆円の経済損失が発生すると公表しており、そのマイナスの影響は計り知れません。
国に提出された「区域整備計画」は、コロナ禍以前に制定された国の基準を満たすため、年間入場者数2000 万人やカジノの売上4200 億円という過大なものですが、その根拠は示されません。こんな「区域整備計画」を国が認可することは許されません。
カジノへの公金投入は、土壌改良費790億円だけにとどまりません。すでに夢洲関連のインフラ整備費用は、地下鉄延伸工事96億円、万博会場建設費600億円、淀川左岸線2期工事1000 億円など大きく膨らみ、さらに地盤沈下の対策費用などがかぶさります。その負担は、住民のくらし・営業支援を圧迫し、大阪の街と府民のくらしを壊します。
また、関西圏を支える物流拠点の機能や貴重な野鳥の生息地を壊す工事であり、一旦立ち止まるべきです。カジノ計画の中止・撤回とともに、万博の夢洲での開催中止についての府民的討論を呼びかけます。
公聴会では反対意見が9割を占め、3月議会の議決前に11万5千人分のカジノ反対署名が提出され、さらに「カジノの是非は府民が決めよう」と住民投票条例の制定を求める署名が20万8552人分(6月6日現在)に達して法定数を突破しました。地元住民の合意が存在しないことは明らかです。吉村知事は「住民投票の必要はない」と府民の声を足げにしていますが、「都構想」のためには二度も住民投票を強行し、「究極の民主主義」とのべていたではありませんか。
医療・介護・社会保障優先で経済成長を
日本共産党はカジノ誘致をやめ、大型公共事業優先からくらしを支え、医療・介護など社会保障優先の政治に切り替えます。医療・介護・社会福祉などへの公的資金投入によってもたらされる経済波及効果は、カジノのための公共事業よりも1.08~1.43 倍と大きくなります。
大阪をギャンブルによる荒廃から守るとともに、大企業だけの儲けを保障する「成長戦略」から抜け出し、多くの雇用と幅広い需要を生み出す、府民にやさしい大阪、多様性と文化にあふれる大阪をごいっしょにつくりましょう。
3、日本共産党ならではの姿、魅力をぜひ見てください
3つの争点で、日本共産党ならではの政策を掲げられるのは、日本共産党が党をつくって100年、一貫して「自由」と「平和」をかかげ、不屈にたたかいぬいた歴史をもつ党だからです。
アメリカであれ、旧ソ連や中国であれ、覇権主義と厳しくたたかい、力による領土拡大や人権抑圧に対しては、どんな国でも許さずたたかってきた党だからです。
「苦難軽減」を立党の精神とし、コロナ対策での給付金支給の実現、定期的なPCR検査の実施、少人数学級や学校給食無償化など、現実政治を一歩ずつ変えてきた党だからです。
「御党だけは、維新に終始一貫、対決してきた」(元民主党衆院議員)などの声にみられるとおり、「維新政治」の逆流に正面から対決するとともに、二度の大阪市・住民投票やカジノ誘致ノーをはじめ、立場の違いをこえ、共同の力で政治を変える党だからです。
財界・大企業の献金や、税金が原資の「政党助成金」を一円も受け取らない唯一の党であり、政治の主人公である国民に深く根ざし、ともに活動できる党だからです。
また綱領で、「大企業中心」「アメリカいいなり」という日本政治の歪みのおおもとにメスを入れ、「ジェンダー平等」「気候危機打開」を綱領に明記し、世界の大道にたって奮闘する党だからです。
さらに資本主義をのりこえ、誰もが自分の能力を「自由に全面的に発展」させることができる未来社会を展望している党だからです。
この日本共産党を比例代表選挙で大きく躍進させ、その力で大阪選挙区(定数4)でたつみコータロー勝利へ、府民のみなさんの大きなご支持・ご支援を心からよびかけるものです。