カジノを中核とするIR(統合型リゾート)の認定について
日本共産党大阪府委員会カジノ問題プロジェクトチーム(PT)責任者
辰巳孝太郎
4月14日、政府は大阪府・市が提出したカジノを中核とする統合型リゾート(IR)の区域整備計画を認定しました。日本初の民営賭博施設の認定という暴挙に強く抗議するものです。
そもそも整備計画自身が杜撰なものです。計画ではUSJの30分の1程度の面積のカジノに、USJを超える1610万人が来場する見込みです。「高い国際競争力」をうたいながら、国際会議場の広さは当初計画の半分、展示場は5分の1に縮小されました。経済効果の試算なども民間事業者まかせの過大な見積もりであり、政府がそれをどう検証したのかも明らかにされていません。
カジノは経済的にも社会的にもマイナスです。大阪維新の会は知事選挙や市長選挙においても、「カジノで経済成長」をさせると繰り返しましたが、カジノの利益は、ギャンブルで負けた人のお金であり、カジノ利用者の7割は日本人です。成長どころか地域経済を落ち込ませるのがカジノです。
また吉村知事は「依存症対策をやる」とも繰り返しましたが、ギャンブル依存症とは本人だけではなく家族をも巻き込む深刻な病気であり、DVやネグレクト、犯罪など社会問題も誘発するものです。一番の依存症対策はカジノを作らないことです。
「税金は一円も使わない」としながら、790億円もの土壌改良費用を大阪市が負担し、地盤沈下対策費用も大阪市が支出する可能性があるなど、公費の負担は青天井です。
夢洲のIR用地の賃料をめぐっても、「IRを考慮外」とする条件設定で不当に値下げをし、不動産鑑定事業者3社の評価がピタリ一致する談合疑惑が浮上し、民事訴訟が提起されています。契約差し止めとなれば、認定を取り消すと政府も言明しています。そもそも事業者と契約を交わす前から不正、疑惑まみれの計画を認定するなど許されるはずがありません。
政府や維新の会などはカジノ賛成の民意が示されたと言いますが、今回の大阪府知事選、大阪市長選でもカジノを争点から外し、カジノ収益がIR全体の8割を占めるのに「カジノは全体の3%だけ」、「リスクがあっても進める」など、府民をごまかし続けました。民意など到底得られていません。
私たちはカジノを止めるため、引き続き広範な府民みなさんと力を合わせる決意です。
2023年4月14日