「大阪府・大阪市特別区設置協議会」の設置に際して
府民的討論と共同で「大阪都」構想をストップさせる
2013年2月1日
日本共産党大阪府委員会書記長・柳利昭
○ 大阪府議会に続き、大阪市議会において「大阪府・大阪市特別区設置協議会規約案」が「維新の会」と公明党の賛成によって可決されました。この「協議会」は、昨夏に制定された「大都市地域における特別区の設置に関する法律」にもとづいて大阪市をいくつかの「特別区」にバラバラにする設計図をつくるためのものです。
橋下・「維新の会」がここで具体化しようとする「大阪都」構想は、そもそも大阪市や堺市を解体し、その権限・財源を「一人の指揮官」のものにするというものです。
加えて、彼らは一昨年のダブル選挙で「大阪市はなくしません」「(24区それぞれ)24色に輝く大阪市に」などと宣伝し、市長に当選すると「大阪都は民意を得た」と称し、都構想をゴリ押ししてきました。
中身のうえでも、やり方のうえでも、「大阪都」構想は府民・市民多数が到底納得できるものではありません。わが党は府議会でも、大阪市議会でも断固反対しました。自民党、民主党もそれぞれの立場から反対しました。
○ 「大阪都」構想に向け、その「協議会」設置まで強行されたことは重大です。橋下・「維新の会」は、この協議会において、しゃにむに「区割り案」と「財政調整制度案」を「決定」し、スケジュールを大きく前倒しして、「住民投票」へとつきすすむ構えもみせています。
同時に、その前途には、府民・大阪市民の利益との大きな矛盾がたちはだかります。
第1に、くらし破壊と大阪経済のゆきづまりに苦しむ府民・市民にたいして、「大阪都」構想は何ら解決策をもちません。そればかりか、「大阪の低迷は府庁と大阪市役所があるから」などと根本要因をそらし、破たん済みの関西財界・大企業中心の「成長戦略」を、今度は「関空リニア」や「カジノ」まですすめることで、歪みを際限なく広げることになります。
第2に、橋下・「維新の会」は、「二重行政の解消」とか、「住民サービスは基礎自治体(特別区)で」「ニア・イズ・ベター」などといいますが、やっていることは住吉市民病院つぶしや府立図書館つぶしなどにみられるとおり、住民のための身近な施設つぶしではありませんか。「住民サービスは基礎自治体(特別区)」という議論も、国や都道府県から社会保障の責任を投げ捨てさせ、基礎自治体(特別区)にはそれにふさわしい財源を保障せず、結局は憲法25条で定められた社会保障への公的責任を放棄する危険性をもつものです。
第3に、橋下市長は「大阪都」構想実現には「まず大阪市と堺市」で「広域行政と基礎自治体の整理が必要」(1月28日の大阪市議会財政総務委員会で)としていますが、堺市は「大阪都」構想にくみしない態度をとり、橋下・「維新の会」も、今回の「協議会」からはずさざるをえないでいます。これは「大阪都」構想が直面する最大の矛盾の一つです。
○ 「協議会」が設置されたことにより、いよいよこれから「大阪都」構想実現を許さない府民・大阪市民のたたかいを本格的に展開する時を迎えています。
わが党は、設置される「協議会」での徹底討論はもとより、府民的討論と共同によって、「大阪都」構想をストップさせ、これをすすめる橋下・「維新の会」の反府民的姿そのものをうきぼりにし、打ち破るために力をつくすものです。