大阪・関西万博を中止して
能登半島地震の復旧・復興に
全力を尽くすことを求める声明
2024年1月11日 日本共産党大阪府委員会
元日に発生した最大震度7の能登半島地震は、死者が200名を超え安否不明者も多数残されるなど、極めて深刻な状況です。地震による家屋や施設の倒壊、道路の寸断や土砂崩れ、電気、水道、通信などのインフラが遮断されるなど、多数の方が避難所での暮らしを余儀なくされています。その避難所での暮らしも水や食料を含めた物資も医療的ケアも十分ではなく、感染症の拡大リスクもあり、災害関連死も報告されている状況です。
被災地の救命や救急活動と合わせて、ライフラインの確保、生活再建、河川・道路などの復旧には相当な時間と多額の予算措置を要することになるのは確実であり、住民が一日でも早く通常の生活に戻れるよう、国と自治体が最大限取り組むことが必要です。
その最大の妨げとなるのが2025年4月開催予定の大阪・関西万博です。万博に資材や人材、重機、巨額の税金が大量に投入されていくことになれば、被災地の復旧・復興にしわ寄せがいくことは明らかです。
維新の会の馬場代表の、万博が「北陸の皆さんにも、新たな夢や希望を持って明るい将来に歩みを進めてもらえるイベントになるのではないか」という発言は、あまりにも被災地を軽視していると言わなければなりません。
「いのち輝く」「いのちを守る」をテーマに掲げるイベントが、被災地の命を軽視して進めることは許されません。350億円も費やして建設し万博後は解体する「日除け」のリングなどに大量の資材や重機が投入されていいはずがありません。
万博の開催地は浚渫土砂や廃棄物の最終処分場として使われてきた人工島の夢洲です。地盤沈下がいまも進行中で、南海トラフ地震などが起きれば液状化が起きることは確実です。夢洲へは夢舞大橋と咲州からのトンネルの2ルートしかなく、最悪の場合、数万人の来場者が夢洲から出られないこともあり得ますが、大規模災害時の具体的な避難計画はいまだに作成されていません。
日本共産党大阪府委員会は昨年8月30日に大阪・関西万博の中止を求める声明を出しましたが、このイベントを進める大義は完全になくなりました。改めてきっぱり中止することを求めるものです。