学校から体罰をなくすために、府民的討論と共同をよびかけます
2013年1月19日
日本共産党大阪府委員会書記長 柳利昭
大阪市立高校生の自殺から一ヶ月――
学校から体罰をなくすために、府民的討論と共同をよびかけます
一、大阪市立桜宮高校バスケットボール部キャプテンの2年男子生徒が、同部顧問の教員から体罰を受けた翌日(昨年12月23日)に自ら命を絶ってから約1カ月が経過しました。この問題は、多くの府民と学校関係者に強い衝撃を与えています。
私たちは、あらためて亡くなられた男子生徒の冥福を祈るとともに、遺族の知る権利を尊重し、二度とこうしたことを繰り返さない固い決意で、学校と教育委員会が徹底した事実調査と解明をおこなうことを求めます。
日本共産党は、子どもの命を何よりも大切にし、子どもの成長を願う立場から、学校から体罰をなくすために力を尽くすとともに、府民的討論と共同をよびかけます。
一、子どもの身体を傷つけ苦痛を与える教師の体罰は暴力行為そのものです。子どもの人権を侵害し、子どもの人格を否定する、教育者として許されない行為です。憲法と子どもの権利条約の立場からみても、学校教育法(11条)でも体罰は禁止されています。スポーツ指導のあり方からみても、体罰では子どもの能力を伸ばすことはできません。
こうした体罰についての基本的な認識をもつことが大切です。
そのうえで、いま必要なことは、「愛のムチ」などと体罰を容認する姿勢をあらため、学校から体罰を一掃するとりくみをすすめることです。
子どもの命を守る立場から、学校では体罰をなくすための徹底した民主的な議論が必要です。保護者との話し合いも大切です。教育行政の役割は、教育条件整備をはじめ、こうした学校でのとりくみを支えることにあります。命令や統制で問題を解決することはできません。
一、今後、この問題の背景にある学校教育に持ち込まれた「勝利至上主義」など、体罰の土壌となっている問題に踏み込むことが大切です。高校「多様化」など競争主義的な「教育改革」についての抜本的な見直しも必要です。
ところが、橋下徹大阪市長は、政治権力を振りかざして教育に乱暴に介入し、同校の教育全体を否定し、教職員の総入れ替えや体育科入試中止を押し付け、従わなければ予算を執行しないなどと強弁しました。高校進学を希望する生徒の進路を閉ざすことになると、生徒や保護者をはじめ学校関係者から強い批判の声が上がっています。橋下氏の主張では、問題を混乱させ解決を妨げることになることを厳しく指摘します。
学校の再建や今後のあり方などは、学校関係者の議論と合意を尊重して進められるべきです。