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2016年01月16日

大阪府が「教育庁」構想 公立と私立校「一元」管理 “私学の自主性脅かす”

 

大阪府が「教育庁」構想 公立と私立校「一元」管理 “私学の自主性脅かす”

 

 大阪府は、報道によると大学と私立学校に関する事務をこれまでの知事部局(生活文化部私学・大学課)から教育委員会事務局へ移管し、「教育庁」とすることを検討しています。松井一郎府知事が検討を指示、2月府議会にも関連議案を提出するとされます。

 大学や私立学校を教育委員会の所管とすることは全国的にも異例です。私学関係者からは、「私学の建学の精神や、私学の自主性が脅かされるのではないか」と危惧する声が上がっています。

 地方教育行政法は学校について、公立学校(大学を除く)は教育委員会が、大学や私立学校は地方公共団体の長(知事)が所管するとしています。これは、憲法の立場から、学問の自由・大学の自治や私立学校の自主性を尊重するうえで意義をもっています。大学や私立学校を教育委員会の所管とすることは、同法の規定から逸脱するものです。こうした議案の提出は許されません。

 公立学校と私立学校を「一元化」して管理する方針は、大阪の教育全体を政治権力が支配・統制しようとするものです。背景には、安倍政権と一体に「おおさか維新」が、改憲勢力として「統治機構改革」をめざし、地方自治について定めた憲法92条と94条「改正」案を議論しようとしている問題があります。

 教育委員会は、憲法にもとづく教育の自由・自主性を守るために、一般行政から独立した機関としての重要な役割をもっています。教育への政治支配を許さず、住民の代表である教育委員会が本来の役割を発揮し、保護者や学校の意見をよく聞き、教育施策に生かすなどの教育委員会改革がいま求められます。

(日本共産党大阪府委員会文教委員会責任者 小林裕和)

                      (「しんぶん赤旗」2016年1月15日付)

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