政策・提言・声明

2025年03月21日

いのちと安全最優先!
あらためて大阪・関西万博の中止を求めます

2025年3月21日 日本共産党大阪府委員会

 

 大阪・関西万博の開催が目前に迫ってきました。しかし、私たちが指摘し続けてきたことや懸念について十分な対応がなされてきたとは言えません。このまま開催することは来場者のいのちを危険にさらすこととなります。私たちはあらためて開催の中止を求めるものです。

一、 メタンガス爆発事故の可能性が残る夢洲での開催は中止を

 万博会場となる夢洲の建設現場でガス爆発事故が発生してから一年が経過しようとしています。現役の廃棄物処分場である夢洲1区ではこの間、83本のガス抜き管から一日あたり約1.5~2トンのメタンガスが発生してきました。万博協会による直近の測定では、西エントランス広場付近の地下ピット(空間)から爆発濃度のメタンガスも検知されており、建設作業員の安全が脅かされてきました。

 万博開催中もガスの発生を止めることはできません。もともと夢洲は大阪市のゴミの最終処分場として造成され、ダイオキシン、PCBを含む有害物質や下水汚泥で埋めたてられた人工島です。2820万人もの来場者を見込む万博会場としては極めて不適切です。爆発事故の可能性を排除できない夢洲での万博開催は中止するべきです。

二、大規模災害時の防災対策や避難計画が不十分

 夢洲は、自然災害に脆弱であり、大規模な地震や津波が発生した際に甚大な被害をもたらす危険性が高い場所です。2018年の台風21号の際には夢洲の護岸が高潮によって崩れ、コンテナが宙を舞うほどの強風被害に見舞われました。今月に入り、波の影響で大屋根リング下の護岸が浸食する被害が報告されています。会場へのアクセスは夢咲トンネルと夢舞大橋の2ルートしかなく、最悪の場合15万人が3日間以上孤立すると万博協会自身が想定しています。大規模災害時の防災対策や避難計画も依然として見えないままであり、来場者のいのちを守れる保証はありません。

三、熱中症リスク等は避けられない

 熱中症対策などに不安があるとして吹田市教育委員会等が万博遠足(招待事業)の参加を見送ることを決めました。刺されると命の危険にさらされるヒアリの生息も確認されています。万博会場には診療所3カ所、救護所5カ所が設置されるとのことですが、一日あたり最大22万人の来場が想定される中で、適切な対応ができるのかの不安が残されたままであり、開催を強行すべきではありません。

四、危険な夢洲での万博を強行する政府と維新の責任は重大

 夢洲を万博の会場候補地とするよう求めたのは大阪府知事、市長をつとめた松井一郎氏です。松井氏は読売新聞のインタビューに対し、夢洲を候補地にしたことがベイエリア開発を目的とするものであり、カジノIRとセットでやるしかなかったと答えています。不純な動機によって危険な夢洲を会場に決めたことにより、万博の理念に沿って、その成功のために取り組む国内外の人々の努力が踏みにじられたことも事実です。

 また、大阪ヘルスケアパビリオンでは来場者の個人情報を収集し、協賛企業に提供することも明らかになりました。莫大な税金を投入し、ゼネコンや製薬会社、カジノ事業者等を儲けさせることが夢洲万博の目的だったことは明瞭です。

 万博成功に向けた機運醸成にいくら税金を使っても、来場意向につながらない調査結果も出ています。入場券の売上不振により赤字になれば、大阪府・市の負担になる可能性もうまれています。私たちの警告を無視し、夢洲での万博開催を強行する政府と維新の会の責任は重大です。ベイエリアの乱開発につながる大阪・関西万博は中止して、住民の暮らしを守るための役割を果たすことを国と大阪府・市に求めます。

以上

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