大阪府議会での教育基本条例案(教育行政基本条例案・府立学校条例案)、職員基本条例案強行にたいして
たたかいはいよいよこれから
2012年3月23日
日本共産党大阪府委員会書記長 柳利昭
1、本日(23日)、大阪府議会は「維新の会」、自民、公明の賛成で松井知事提出の「大阪府教育行政基本条例案」「大阪府立学校条例案」「府職員基本条例案」を可決しました(日本共産党、民主党は反対)。
教育目標設定への知事の介入に道をひらく「教育行政基本条例案」、府職員を憲法が定める「住民全体の奉仕者」から知事の奉仕者に変質させる「職員基本条例案」にたいして、わが党は、憲法と教育の根本精神を踏みにじるものとしてきびしく批判してきました。
大阪弁護士会や全国の著名10氏が2度にわたって反対する声明をだしたことや府内21万人以上の署名にも代表されるとおり、府民各層、全国各界から強い批判がわき起こりました。府議会論戦のなかでも、これらの条例案が子どもたちに過度の競争を持ち込み、教育現場を荒廃させる危険があること、職員や教職員に職務命令違反へのきびしい懲戒処分・分限処分の基準を設定し、職員については相対的人事評価によって統制管理することなど、いくつもの重大な問題点がうかびあがりました。
これらに耳を傾けようとせず、昨年9月府議会で決定された参考人招致もおこなわず条例を強行した暴挙に対し、日本共産党大阪府委員会はきびしく抗議するものです。
2、府民的なたたかいの広がりと前進のなかで、松井知事と「維新の会」は、条例案の手直しを余儀なくされました。
政府・文科省からも、明瞭な「法律違反」を指摘された「維新の会」提案の「2条例案」は取り下げざるを得ず、松井知事提案の条例案のなかでも、教職員の人事評価への相対評価の導入は「適用除外」とさせたことは重要です。
また大阪市議会、堺市議会では昨年末に「維新の会」提案の2条例案を否決し、この3月大阪市議会でも、橋下市長提案の条例案についての採決はできず、「継続審議」となっています。
3、たたかいはいよいよこれからです。府議会での可決・強行は重大ですが、これによって憲法との矛盾、府民との矛盾はさらに広がらざるをえません。
わが党は、「2条例案ストップ」をかかげ、声をあげ、たたかいをすすめてきた広範な府民のみなさんにたいして、何よりも大阪市議会での2条例案成立を許さず、廃案にするための活動をさらに急速に広げることをよびかけます。2条例反対の署名・宣伝を市内のすみずみで前進させましょう。
府議会で強行された条例については、教育への政治介入や職員・教職員への管理統制、府立高校の統廃合を許さぬたたかいをはじめ、今回の条例の発動・具体化を許さないたたかいに全力をつくします。そのなかで条例撤廃のための新たなたたかいに臨みましょう。
わが党は、こうしたたたかいと一体に、「30人学級」の実現など、過度の競争を排し、一人ひとりに行き届いた教育を実現すること、学校現場と教職員の自由の確保など、大阪の教育の民主的改革めざす府民的合意と運動をすすめるために総力をあげるものです。