「子どもの貧困」を解決する緊急策 わたなべ結
どの子も大切にされる社会へ――「子どもの貧困」を解決する緊急策を
2016年4月8日 わたなべ結
(日本共産党大阪府委員会青年学生委員会責任者)
「子どもたちが貧困の連鎖のなかに閉じこめられている」(大阪で「子ども食堂」を営むNPO関係者)――大阪の子どもの貧困率は年々高まり、昨年は沖縄についでワースト2位になりました(山形大学戸室准教授の調査 大阪は21・8%、全国平均13・8%)。なかでもシングルマザー世帯の65%は年収200万円以下(2015年)となっています。
子どもの貧困が広がるなかで、学校検診で「要治療」と指摘されても歯医者にかかれず「口腔崩壊」となる児童が増え、学校の荒れが増えるなど、貧困は子どもたちの体と心に深刻な影響を与えています。児童虐待相談も大阪は全国でもっとも多く(2013年8092件)、増え続けています。育児を放棄するネグレクトの増加も家庭の貧困と無関係ではありません。貧困は子どもたちから豊かな経験の機会を奪い、子どもの成長にとって大きな障害になります。
これを解決するために、国連が提唱し、日本が1994年に批准した「子どもの権利条約」の4つの権利(差別されない権利、生きる・育つ権利、最善の利益を得る権利、意見を聴かれる権利)を守り、どの子も大切にされる社会をきずくことは、政治の緊急課題です。
私は、次の緊急策を提起します。
1)大阪でも善意の「子ども食堂」が各地で誕生し、子どもたちのあたたかい居場所となっています。堺市などが「子ども食堂」への支援にのりだしています。民間まかせにせず、財政支援、場所の提供、ネットワークの構築、子どもへの周知など、公的支援を広げます。
2)安心してお医者さんにかかれるよう、子どもの医療費助成を高校卒業まで引き上げます。国が子どもの医療費助成に踏み切り、大阪府がその気になるなら、全市町村ですぐにできます。
3)小学校・中学校の給食は、自校方式であたたかく、栄養のあるものを無料で提供できるようにします。
4)シングルマザーにたいする経済的支援を拡充します。児童扶養手当の引き上げ、所得制限の見直し、多子加算の引き上げなどをすすめます。保育所、学童保育所への優先入所と保育料の軽減、長期の安定した雇用確保の就労支援、安価で良質な公営住宅の供給など、安定した暮らしへの支援を強めます。
5)生活保護切り下げを許さず、拡充します。就学援助を拡充します。
6)「35人学級」、少人数学級を実現し、子どもたちのSOSをキャッチし、子どもに寄り添う教育環境を整えます。
以上