政策・提言・声明

2017年02月23日

「都構想」のための「特別区設置協議会」設置は許さない――この一点での共同をよびかけます

 日本共産党大阪府常任委員会は2月22日、次のよびかけを発表しました。

「都構想」のための「特別区設置協議会」設置は許さない――この一点での共同をよびかけます

 2017年2月22日 日本共産党大阪府常任委員会

 開会された大阪市議会及び府議会に、「維新」は、「都構想」の設計図をつくる「特別区設置協議会」(以下、「法定協議会」)設置を再提案します。

 「都構想」は、大阪市をなくし、くらしと経済をいっそう悪化させるものであり、2015年春の住民投票できっぱりと否決されたものです。

 住民無視の「法定協議会」を再び設置することを許さない――この一点で共同し、「維新」の企みを葬り、大阪市を残し、よりよく発展させるために力をあわせましょう。

1、 市民が否決した「都構想」の蒸し返しにストップを

 大阪市民は、住民投票で「都構想」を否決しました。法に基づき市民がきっぱり下した判断です。吉村市長も当時、この住民投票を「最初で最後のチャンス」と訴えていました。自ら気に入らない結果だから、またぞろ持ち出してくるのは、民主主義に背くものです。大阪市が開いた「総合区説明会」でも「『勝つまでじゃんけん』ではないか。やめよ」「いつまでも(住民投票を)繰り返すということは民主主義の観点からもおかしい」との批判が続出しました。

 民意をふみにじり、再び、市民に対立と分断を迫る「都構想」の蒸し返しはやめさせましょう。

2、大阪市廃止、サービス低下、権限・財源奪われる――都構想の致命的な欠陥

 「都構想」は、①大阪市を廃止する。②市民サービスが低下する。③市の財源・権限が府知事に吸い上げられ、特別区は「半人前」の自治体になる、という致命的な問題を抱えています。

 住民投票では、「特別区」の新庁舎建設だけでも680億円かかり、市民サービスの財源がなくなることが大問題になりました。この間の「総合区説明会」で吉村市長は「区の庁舎を新たにつくれば、その分の借金は増える」と認めるなど、コスト増と自主財源の減少で住民サービスが切り下げられることが改めて明らかになっています。

 松井知事は「カジノ」について「司令塔が(市長と知事の)2つでは方向性が決められない」と発言しています。「特別区」の区長が反対しても、「府」で決定できるとも言い放ちます。「都構想」が、「1人の指揮官」で違法な賭博解禁やムダな大型開発を推進する体制づくりであることは明らかです。

 大阪市を廃止し、「特別区」に分割すると、再び元に戻れないことも大問題です。「都構想」の設計図をつくるための「法定協議会」設置はきっぱり否決しましょう。

3、「都構想」を断念させ、住民参加、住民自治を発展させる改革を

 吉村市長らは「総合区」の案を今年夏頃までに作ると言っています。「総合区」は「住民自治を強化するため、区の役割を拡充する」と設けられたものです。

 しかし、吉村市政が「総合区」「特別区」をセットで持ち出すやり方は、「総合区」を「都構想」の露払いにするもので、絶対に認められません。吉村市長や松井知事は、「総合区は特別区のステップ」「総合区が始まるまでの準備期間に、特別区の住民投票を行う方法も」「総合区案に公明の考えを反映させ代わりに『都構想』の審議入りに賛成を取り付けたい考え」と、意図を鮮明にしています。「都構想」協定書づくりの「法定協議会」の設置をいま許さないことが決定的です。

 自民党は、「大阪市を存続させる民意を大前提にして、議論すべき」と表明しています。公明党は2年前に「都構想議論を収束させるため住民投票で決着する」と協力方針に転じましたが、「1回だけ」としていた住民投票の結果を受け、「都構想は終わった話」と明言しています。

 住民投票では、「制度を変えなければ解消できない二重行政の無駄はありません。今変えるべきは、制度ではなく政策」(自民党)、「大阪都構想は大阪破綻への道です」「都構想にピリオドを打てば、大阪のポテンシャルを生かした経済成長戦略にようやく踏み出すことができます」(公明党)などの訴えが相次ぎました。

 四野党は「共同公報」で、「変えるべきものは『制度』ではなく『政策』です。」として「今必要なのは、膨大な労力や時間をかけるような大規模な仕組みの変更ではなく、区政会議の充実や改正地方自治法による『総合区(今の行政区よりも権限や財源を持った行政区)』の活用などで住民自治の強化を図っていくことです」と訴えました。

 「住民投票」は、「維新」の無謀な「大阪市つぶし」に対し、「大阪市を守れ」とたちあがった市民、団体が一つになり、「大阪市のあり方」を徹底討論した貴重な機会となりました。

 いま再び共同を広げ、「都構想」のための「法定協」設置を打ち破りましょう。その力で、市民参加を広げ、住民の意思が市政に反映する制度改革の議論を大いにすすめしょう。

4、大きな財源・権限をくらし優先に使い、よりよい大阪に

 一昨年の住民投票、そして、ダブル選挙を通じてはっきりしたことは、全国以上に厳しい大阪府民のくらしと経済を立て直してほしいという願いの強さです。

 橋下維新府政以後の8年間で大阪経済は、全国以上に落ち込んでいます。そのおおもとには、維新府・市政が「都構想」に明け暮れてきた問題とともに、くらしと教育、雇用、中小企業を切り捨て、府民のふところを冷やしてきたことがあります。

 政令都市の大阪市は、他の市より大きな財源、権限を持っています。市民無視の「制度いじり」の「都構想」議論に終止符をうち、大阪市の大きな力を、「住民福祉を増進させる」という地方自治体本来の役割を果たすことに使い、安心して働き、くらせる大阪をつくっていきましょう。

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