大阪府立大・市立大
維新は「統合」計画撤回せよ
安倍政権の補完勢力としての維新が大阪で進める大学「統合」計画に対して、府民と大学関係者から不安と批判の声が上がっています。
大阪市が開会中の市議会に提出していた、大阪市大と府大を運営する法人を統合する関連議案は9月27日の本会議で採決されず継続審議となりました。府は同日開会の議会に同趣旨の議案を提出しました。維新府政・市政は、2019年4月の法人統合に続いて、22年4月に大学統合をめざす方針です。
卒業生らでつくる市立大学の統合問題を考える会が提出した、市大と府大の「法人統合」中止を求める陳情も継続審議です。同会は府立大学の統合問題を考える会とともに府知事と市長に対して要請書を提出しています。
現在、両大学の学長は理事長を兼務して大学を運営していますが、統合された大学法人は理事長と学長を分離し、理事長は府知事と大阪市長が任命。副理事長となる学長は学長選考会議の選考に基づき理事長が任命します。
法人統合による経営の一体化で「ガバナンス(統治)の強化を図り、選択と集中の視点から構造的な改革」をはかるとされます。首長が任命した理事長に強い権限をもたせ「大学リストラ」を進めることが狙いです。
日本共産党の小川陽太市議は9月20日の市議会都市経済委員会で、統合は両大学の内発的要求ではなく「二重行政」として押し付けられたものだと反対を表明。維新以外の各会派からは、新大学の検討で学外の特別顧問が主導する大学づくりになっていることや、国が大学の必要経費として算定する基準財政需要額に比べて大学への交付金(府)が下回っており財政的裏付けに懸念があるなどの問題点が指摘されました。
これらの背景には市民世論と大学関係者の運動とともに、堺市長選での市民共同の勝利があります。
憲法が保障する学問の自由・大学の自治を蹂躙(じゅうりん)する大学「統合」計画は撤回すべきです。学費負担を軽減し、運営費交付金の増額で教育研究条件を拡充するとともに、大学の存続・発展にむけた府民共同を広げることが求められます。
(小林裕和・日本共産党大阪府委員会学術文化委員会責任者)
(「しんぶん赤旗」2017年10月6日付)