政策・提言・声明

2017年12月16日

 両大学の存続・発展へ共同を
大阪府大・市大の統合案継続審議
大阪市議会

 大阪市立大学と府立大学を運営する法人を統合する関連議案は、12日の大阪市議会本会議で継続審議となりました。

 同趣旨の議案は11月8日の府議会で可決されており、維新府政・市政は2019年4月に法人統合、続いて22年4月に大学統合をめざす方針です。しかし、府民・市民世論と運動、議会論戦をまえに、府・市が描くスケジュール通りに進まなくなっています。

 両大学の卒業生らでつくる府立大学問題を考える会と市立大学の統合問題を考える会は、府大・市大の法人統合を中止し、両大学の存続・発展を求める要請書を府知事と市長に提出し、各会派・議員に要請しました。

 大学関係者からは、両大学の将来像については学内でも、両大学間でもいまだに議論が不十分であり、拙速(せっそく)な統合によって学生の教育に深刻な悪影響が及ぶことが懸念されるとして、府大・市大の拙速な統合を見直し、両大学での議論を深め、府民・市民とともに発展する大学をめざすことを求める声が上がっています。

 この間の議会論戦では、両大学の統合は大学の内発的要求にもとづくものではなく、学内議論と合意が十分でないことや、両大学の運営費交付金が減額されるなかでの統合はリストラが目的であることなどが浮き彫りになりました。

 日本共産党の石川多枝府議は「教職員や学生に対する説明や意見聴取は極めて不十分で、学内議論は全く醸成されておらず、拙速な法人統合を進めるべきではない」(11月2日の府議会教育常任委員会)と指摘、小川陽太大阪市議は「大学統合によって歴史と伝統ある市大・府大をなくすのではなく、豊かに発展させることが必要である」(12月5日の市議会都市経済委員会)と強調しました。

 学問の自由と大学の自治をじゅうりんし、大学リストラを狙う府大・市大「統合」計画は撤回し、府民と大学関係者の要求に応えて、学費軽減や大学運営費交付金の増額による教育研究条件の拡充をはかることが必要です。

 府立大学と市立大学の存続・発展にむけて、府民・市民と大学関係者の共同を広げることが求められます。

(小林裕和・党大阪府委員会文教責任者)
(「しんぶん赤旗」2017年12月16日付)

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