大阪にカジノはいらない。
カジノ実施法は廃止を
日本共産党大阪府委員会は8月4日、次のアピールを発表しました。
大阪にカジノはいらない。カジノ実施法は廃止を
2018年8月4日 日本共産党大阪府委員会
「カジノ実施法」強行――二重三重の暴挙
7月20日、延長国会で「カジノ実施法」が強行されました。これは刑法が禁じてきた「民営賭博」を米カジノ大手事業者のいうままに解禁する点でも、震災・豪雨災害への救援対策は二の次、「カジノ」最優先で国会審議を強行した点でも、二重三重に国民利益と世論に背くものです。
法案強行に手を貸した自民、公明、維新各党に厳しい批判が寄せられます。
大阪でも世論の多数は「カジノ反対」です。日本共産党大阪府委員会は、「大阪にカジノはいらない。カジノ実施法は廃止を」の一点で各政党・団体・個人が手を携え、新たな運動を起こすことをよびかけます。
国会審議をつうじて明らかになった大問題
「カジノ実施法」は、国会審議を通じて、中身はボロボロになっています。
――そもそも立法の動機は不純です。法案審議のさなか、「カジノ解禁推進法」提案者だった自民・維新の衆院議員が米カジノ関係者からパーティ券など資金提供を受けていたことも明らかになりました。カジノのターゲットは日本人です。米カジノ事業者による、米カジノ事業者が儲けるための法律――「売国法」というべき姿があらわです。
――前例のない「民営賭博解禁」法なのに、なぜこれが刑法の賭博罪の対象にならないのか。まともな説明も、議論もありません。カジノに「公益性」などなく、違法性がきわめて高いものです。
――「世界一の規制」などといいますが、「週3日の入場規制」「入場料6000円」では依存症対策になりません。カジノ場の面積上限など、肝心の項目は法律に書き込まれず、政省令331項目に丸投げです。「暴力団関与」や「マネーロンダリング」を封じる保障もありません。カジノ事業者が顧客に掛け金を貸し付けることができるなど、際限なくカジノにのめりこませ、食い物にできる仕組みまで入っています。
――いまもパチンコなどによる「ギャンブル依存症」が深刻ですが、カジノが解禁されるなら、被害はさらに大きく広がります。そのために「依存症対策法」をつくったといいますが、依存症を増やさないためには、カジノを禁止するのが一番です。
――「IR(統合リゾート施設)であって、カジノでない」というのも詭弁です。世界の例を見ても、カジノに集客するために国際会議場、ホテルなどが備えられ、「IR全体がカジノのため」にあります。
――「経済成長のため」といいますが、カジノの集客力・消費力が大きいほど、周辺地域経済は顧客の喪失、売上減少のリスクにさらされます。お隣の韓国では、「経済効果」をこえる深刻な社会的損失、「負の経済効果」が指摘されています。
大阪に「カジノ誘致」は許されない
大阪では維新の松井知事、吉村大阪市長が「カジノの大阪誘致」にのめりこんでいます。かつて橋下代表(当時)は「カジノが大阪都の試金石」とのべ、松井知事は「カジノの誘致」を来春の統一地方選の争点にすると叫びます。
維新は、安倍政権と一蓮托生で「カジノ実施法」を成立させました。しかし、なぜ民間賭博解禁か、なぜ大阪誘致か、国会でのべた理由は、「東京一極集中打開には、IRで魅力ある観光施設を」「IRで国際会議場が開ければ日本の国際的な与信を高める」など、いずれも「IR」を隠れ蓑にして、問題を他にそらし、ぼかすものです。
大阪府・市政は「2025年大阪万博」を隠れ蓑に、ゴミの最終処分場である「夢洲」の埋め立てを無理に前倒しし、多額の税金を投入してインフラを整備し、「カジノ」を誘致しようとしています。
カジノがなくても、多様な文化、「食」の魅力で大阪・関西の観光客は増えています。府民の不幸を食い物にするカジノを「観光戦略」「成長戦略」というのはあまりにも貧弱で、おぞましいものです。
府民世論に従い、「カジノの大阪誘致」は断念すべきです。「カジノより災害対策」「カジノより福祉充実」。府・市政のカジを大きく転換しなければなりません。
「カジノはアカン」――大阪のすみずみから声と行動を
日本共産党大阪府委員会は「大阪にカジノはいらない。カジノ実施法は廃止を」の声を大阪のすみずみからあげ、一大府民運動にとりくむことをよびかけます。
すでに「カジノ問題を考える大阪ネットワーク」や「明るい民主大阪府政をつくる会」「大阪市をよくする会」などが「カジノはアカン」と行動をすすめています。
国会論戦でもうきぼりになった「カジノ実施法」の中身と問題点、さらにこれから出される政省令の内容や大阪府・市の計画などを学習・討論しながら、広く府民に伝えるための宣伝活動や「集い」にとりくみましょう。創意も生かし、「カジノはアカン」プラスターやビラも活用し、街頭でのシール投票、署名や対話アンケート活動もすすめましょう。
この問題で一致するすべての政党・団体・個人――地域自治会、学者・弁護士、女性団体、教育・子ども関係諸団体、中小業者、文化人、宗教者などに広く対話・懇談し、それぞれの分野・地域から「カジノ反対」のネットワークづくりにとりくみましょう。「カジノ実施法」を強行した自民、公明、維新の支持者のみなさんのなかでも、「カジノはあかん」「大阪にはいらん」の声が多数です。積極的に働きかけていきましょう。府内市町村の首長、大阪府・市議会をはじめ地方議員への要請にもとりくみましょう。
こうした力で統一地方選、参院選では「カジノ推進・大阪誘致派」を少数に追い詰めましょう。
日本共産党大阪府委員会はその先頭にたって奮闘する決意です。