政策・提言・声明

2018年12月11日

大阪府大・市大「統合」中止を
本質は大学リストラ

 大阪市議会都市経済委員会は5日、吉村洋文市長が9月12日に提出し継続審議とされていた府立大学と市立大学を運営する法人(2019年4月設立予定)の中期目標案を採決し、維新の会と公明党の賛成で可決強行しました。日本共産党は反対しました。12日の市議会本会議で採決される予定です。同趣旨の議案は府議会でも審議されています。

 同委員会で日本共産党の小川陽太市議は「市大・府大は歴史と伝統ある公立総合大学として、十分にその役割を果たしている。大学の自治を尊重し発展にむけた支援こそが求められている。大学統合の本質は大学リストラであり断じて認められない」と主張しました。

 同案は、19年度から24年度の両大学の教育研究に関する目標を示し、「2022年度を目途とする両大学の統合による新大学の実現に向け準備を進める」ことを明記。教育研究組織の検討や、キャンパス再編に取り組むことを掲げています。

 大学関係者からは、“条件整備のない大学統合はできない”などの慎重意見が出されています。両大学の卒業生らでつくる府立大学問題を考える会と市立大学の統合問題を考える会は、中期目標案は徹底審議のうえ廃案とすることを求める要請を、市議会各会派に行いました。

 維新府・市政が進める統合計画は、大学リストラが狙いです。両大学の内発的な要求からではなく、強権的に大学に押し付けられたものです。府民・大学関係者との矛盾は避けられません。反維新の共同と日本共産党の躍進で維新政治を転換して、府大・市大「統合」計画を中止し、府民・市民要求に応えた学費負担の軽減や大学運営費交付金の増額による教育研究条件の改善が求められます。

(小林裕和・日本共産党大阪府委員会学術文化委員会責任者)
(「しんぶん赤旗」2018年12月11日付)

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