教育ゆがめる学力テスト廃止を
大阪府が10日に実施を計画
大阪府内の公立中学1・2年生を対象とする府独自の学力テスト(チャレンジテスト)が10日に実施されます。1年生は国語、数学、英語の3教科、2年生はそれに社会、理科を加えた5教科です。
維新府政のもと府教育委員会は、テスト結果を高校入試の内申点に反映させる、全国的にも異例の方針を続けています。行政調査としての性格をもつチャレンジテスト結果を、子どもの成績評価(内申点)に反映させることは、憲法違反の「禁じ手」です。
昨年の中学3年生対象のテストは、大阪北部地震と台風21号により2度延期され、9月6日に強行実施されました。そのため、府内公立中学の約15%にあたる71校もの学校が当日実施できず後日実施となり、これらの学校のテスト結果は内申点に使われません。これは、チャレンジテストはなくてもいいことを示しています。
中学1・2年生対象のテストは、その結果が生徒一人ひとりの内申点に、優先的に反映されます。そのため、学校がつけた内申点が、テスト結果により2年間(2015・16年度)でのべ3万8千人を超える規模で変更させられたことがわかりました。一回のテストで内申点が決まり、変更させられるのは異常です。
チャレンジテストは、子どもにゆきすぎた競争教育を強いるとともに、学校の教育課程や行事に影響を与えています。学校が学力テストの点数を上げる競争に巻き込まれ、“学力テスト対策”が子どもに強制されています。教職員の多忙化に拍車をかけています。
こうした問題の多いテストを今後も続けていいのかが、厳しく問われています。
子どもと教育・文化を守る大阪府民会議は、チャレンジテスト結果を高校入試の内申点に反映させないことを求める署名運動に取り組んでいます。
テスト結果を内申点に反映させることをやめるとともに、教育をゆがめるチャレンジテストの廃止が必要です。
反維新の共同と日本共産党の躍進で、教育に介入し過度の競争教育を押し付ける「維新政治」を転換して、子どもの成長を大切にする教育へ、35人学級・少人数学級の拡充や教職員をふやして異常な長時間労働を是正することなど、教育条件の改善が求められます。
(小林裕和・日本共産党大阪府委員会文教委員会責任者)
(「しんぶん赤旗」2019年1月5日付)