政策・提言・声明

2019年02月02日

大阪府会・大阪市会選挙アピール
カジノより暮らしの安心・希望を
――「大阪都」ストップ・「維新政治」の転換を共同の力で

 2月2日、日本共産党大阪府委員会は、次のアピールを発表しました。

2019年2月2日 日本共産党大阪府委員会

 3月に告示される統一地方選挙が目前に迫りました。続いて7月には参議院選挙がおこなわれます。この連続選挙は、「安倍政治」にも、「維新政治」にも終止符を打ち、くらしの安心・希望を取り戻す歴史的なたたかい、歴史的なチャンスです。

1、大阪から安倍政権に終止符をうつ流れを

 安倍政権への批判と怒りは、大阪でも広がっています。

 くらしを壊す消費税10%増税計画には、「反対」が72%(日本世論調査会)、68%(産経)と多数を占めます。大阪信用金庫の調査では在阪の中小企業で「増税やむなし」の声はわずか21・7%で、「実施を延期すべき」「引き上げを行わない」「引き下げすべき」の合計はほぼ5割に達します。

 大阪の一人あたりの府民所得は2007年度280万円から15年度275万円へ低下し、一人あたりの民間消費支出は508万円から484万円へと悪化しました。家計消費は、07年から2016年で10%以上落ち込み、全国の中でも際立ちます。

 府民のくらし、経済を破壊する10%増税はきっぱり中止すべきです。

 厚労省の毎月勤労統計調査で実質賃金が下がっていることが明るみにだされ、「アベノミクスの成果」なるもののウソとゴマカシがはっきりしました。

 安倍政権の最大のターゲットは憲法9条改悪にあります。自衛隊が海外で武力行使し、殺し、殺される戦争の道を推し進めることは断じて許されません。

 この安倍政権が頼りにしているのが大阪では「維新の会」です。前代表の橋下徹氏は、「大阪の改革や成長を実現するために、安倍政権には多くの力を貸してもらっている」「だから、日本維新の会が安倍政権に協力するという面も多々ある」と自著で語っています。大阪で維新を打ち破ることは、安倍政権を倒すうえでも大きなカギを握ります。

 「安倍政権にさよならを」と市民と野党の共闘が広がっています。2017年の総選挙で私たちが候補者をおろす形で候補者を一本化した選挙区から野党衆院議員が国会に送り出され、「原発ゼロ法案」など20本の共同法案を提出しています。大阪では「カジノ反対」「原発ゼロ法案の成立を」「沖縄知事選勝利集会」などに立憲民主党、日本共産党、社民党、自由党の府連代表が勢ぞろいしています。

 この流れを発展させ、大阪から自民、公明、維新を少数派に追い詰め、安倍政権に終止符をうつ流れをつくりだしましょう。

2、日本共産党の前進で、大阪府・市政の5つの転換を

 大阪の「維新政治」は、いま重大な岐路を迎えています。

1) 維新の一枚看板・「大阪都」構想は窮地にたっています。

 昨年末以来の、松井知事による公明党との「住民投票実施の密約」暴露劇は、彼らの「大阪都」構想が、府民・市民に正々堂々と訴えられるものではなく、コソコソと「密約」することでしかすすめられないものである姿をさらけだしました。

 維新は、公明党に「密約」実行を迫るとともに、さもなければ知事・大阪市長が辞職して、統一地方選挙と同日に「出直しダブル選挙」をおこなうと口にしています。これは大阪府・市議会で「単独過半数」を得て強行突破しようというものです。そのいずれも許すことはできません。

 「大阪都」構想がゆきづまっているのは、2015年の住民投票による決着を無視してまた強行するという民主主義じゅうりんへの強い反発があるからです。また維新が「バージョンアップした」という新たな「特別区」素案は、「5区案」を「4区案」にしただけで、「大阪市つぶし」「暮らしつぶし」「一人の指揮官」でやりたい放題の体制をつくる、という本質は変わりません。

 「財政効果」どころか、「特別区」をつくれば、新庁舎など600億円以上の重いコストがのしかかることも明らかです。

2)「維新政治」の「異質の悪政」ぶりへの府民・市民批判と危惧も広がっています。決着済みの「大阪都」構想にしがみつくことをはじめ、「なんでも民営化」を策し、府独自の国民健康保険補助は半減、「住吉市民病院廃止」を強行するなど、くらしと医療を破壊し、子ども医療費への府の助成も小学校入学前までにとどまり、子どもたちをテスト漬けにし、異常なまでの競争に駆り立てています。

 そのうえ「大阪万博」もテコに、「大阪経済の起爆剤」として熱中しているのが「カジノ誘致」です。「カジノ」は、➀人の不幸でもうけ、「ギャンブル依存症」を際限なく広げ、②米カジノ大手資本に大阪と日本の経済を売りわたし、③ムダな巨大開発事業の呼び水となるものであり、府民世論も多数が反対です。

 日本共産党は、万博に期待する人も、期待しない人も、ともに「カジノはノー」「大阪都はストップ」と維新政治に迫り、転換することをよびかけています。

3)この間、「異質の悪政」である「維新政治」、なかでも「大阪都」に反対する「反維新の共同」が画期的に広がりました。国政に対する態度や他の問題での政策の違いをこえて、「大阪市つぶし、堺市つぶしは許せない」と一つになった力で、2015年の大阪市での「住民投票」、2013年と2017年の堺市長選挙と三たび、維新を打ち破りました。

 民主主義と自治体そのものを破壊しようとする「異質の悪政」にたいして、広範な市民とともに、維新以外のすべての政党・団体が手を結ぶことは、大義あるものです。

 維新が「出直しダブル選挙」に打って出るならば、「反維新の共同」の力をさらに大きく発展させ、断固として打ち破りましょう。文字通りことしを「維新政治」に終止符を打つ年にしようではありませんか。

 日本共産党は、大阪府・市政で次の5つの転換を訴えます。

1)「カジノ・大阪都第一」から、「くらし第一」へ

――消費税は低所得者ほど重い負担となる“暮らし・福祉破壊税”であり、“商都大阪破壊税”です。「10%への増税は中止せよ」の府民、市民の声をさらに広げ、その声で安倍政権に迫る大阪府政・市政をきずきます。

――国民健康保険料をサラリーマンの健康保険並みにします。全国知事会などが国に要望している「1兆円の公費負担増」をおこなえば、大阪市では給与年収400万円4人家族(30代夫婦・子ども2人)なら41万9500円を26万400円に下げることができます。市町村の国保への一般会計からの法定外繰り入れの削減・廃止は許しません。

――介護保険料・利用料の軽減・減免をすすめます。国の負担割合をもう10%アップすれば、すぐに大阪市の基準額7927円を6943円に下げられます。一般会計からの繰り入れもおこない、さらに大幅に引き下げます。

――子ども医療費助成を市町村が18歳まで拡充できるように、大阪府の子ども医療費助成を小学校卒業まで拡充します。救急医療体制を強化します。 

――特養と保育所の待機者を解消します。介護士・保育士の待遇を改善します。

2)「夢洲開発」など無駄なゼネコン浪費から、防災優先・生活密着の公共事業へ

――大阪府・市の「カジノ(IR)大阪誘致」計画はただちに中止します。

――「万博」を隠れ蓑に、2024年カジノ(IR)建設を既成事実にして、大阪湾のゴミの最終処分場・「夢洲」を急速に埋め立て、インフラ整備、鉄道の延伸や新線開通、高速道路建設などムダな大型開発計画をたて、巨額の税金を投入することは中止します。南海トラフ巨大地震・台風・豪雨などの災害から府民・市民の命を守る防災事業、水道などの老朽インフラの整備を最優先にします。水道民営化は許しません。

――昨年、大阪に大きな被害をもたらした大阪北部地震、台風21号・「関空冠水」などの被害の全容を明らかにし、被災者への支援をおこなうとともに、減災、防災のための対策を本格化させます。

3)異常な競争と管理の教育から、どの子も伸び、希望のある公教育を

――どの子も伸びる公教育をよみがえらせることは府民、市民の心からの願いです。府独自予算で「35人以下学級」を小学校と中学校1年まで実現し、府下市町村がさらに上乗せできるようにします。教職員の多忙化を解消し、子どもの教育に注力できるようにします。

――全員対象の中学校給食にするよう、就学援助の半分を府が負担します。小・中学校の給食無償化を国に要求します。

――「チャレンジテスト」の結果を高校入試の内申点に反映させることを中止します。府・市独自テストの結果を校長の評価・査定と学校予算に反映するという、大阪市の全国に類を見ないやり方はただちに撤回させます。

4)大企業中心の経済対策から、「主役」を中小企業にすえた経済対策へ

――中小企業・自営業の役割を明記し、国づくりの柱にすえた国の「中小企業憲章」、府・市の「中小企業振興基本条例」を施策に貫いて、販路の拡大や技術等でのイノベーション、切実な後継者不足の打開などに力を注ぎます。

――維新府・市政が大幅に削減した、ものづくり中小企業や商店街を応援するための予算を大幅に増やします。

――ブラック企業規制条例を制定し、ブラック企業やブラックバイトの根絶に取り組むようにします。

――国の責任で、中小企業で働く労働者の最低賃金をいますぐ1000円以上に引き上げ、国が社会保障の事業所負担などへの軽減処置をとるように求めます。

5)安倍政権との「改憲タッグ」でなく、大阪の進路は大阪で決め、「庶民の大阪」をとりもどす

――安倍政権の「改憲」への協力の見返りに「維新政治」への協力を求め、その二人三脚で「カジノ・ゼネコン浪費」をはじめ、府民のくらしと自治そっちのけの悪政を進めるやり方を根本から転換します。

――大阪市存続を決めた住民投票結果にたって、今度は、防災やまちづくりなど大阪の草の根から住民自治を守り、発展させ、府民、市民の声が息づく議会と行政に変えます。

――大阪府による小学校認可の可否も大きく問われている「森友疑惑」は、府議会でも徹底解明します。

――大阪にも海外から多くの観光客が訪れます。「カジノで集客」ではなく、大阪の豊かな歴史・文化遺産や庶民性、「食」をはじめとする大阪の強みを生かした観光施策への転換をはかります。

 財源はあります

 カジノ=IR誘致のための「夢洲」インフラ・交通網の整備、なにわ筋線、淀川左岸線など不要不急の鉄道・高速道路建設は見直します。「大阪都」づくりのための無駄な経費をなくします。府政・市政が貯めこんでいる税金のうち、使い道が自由な財政調整基金は府も市も千数百億円あります。この一部を活用するだけでも、命・くらしを守るための切実な施策はすぐに実現できます。

3、日本共産党を伸ばしてください。ともに政治を変える大きな一歩を

 大阪の日本共産党は、大阪府議団・市議団を先頭に、「安倍政治」「維新政治」を終わらせ、「くらし第一」、府民・市民が主人公といえる大阪をきずくために全力をつくしています。

➀「苦難あるところ、共産党あり」――くらしと安心、府民のよりどころ

 大阪北部地震、台風21号の被災に対して、日本共産党大阪府議団と国会議員団、地元議員団の連携で、住宅の「一部損壊」で、国の支援の対象外となっている問題を2度の緊急政府交渉や府議会質問で取り上げ、屋根に残った被災瓦礫の撤去費の9割補助が実現するなど政治と行政を動かしてきました。子ども医療費補助や少人数学級の拡充など、府議会に府民から寄せられる請願の99・9%は日本共産党が紹介議員となっています。府議会で子どもの貧困を初めて正面から取り上げ、3億円の対策補助金の実現につなげました。大阪市では、住民運動と結びついて長年求め続けてきた子ども医療費助成の18歳までの引き上げや公立幼稚園へのエアコン設置、みなし寡婦控除などを実現してきました。また有料化された「敬老パス」3000円徴収も撤回させました。

②「維新政治」と一貫して対決、明日の大阪へ、府政・市政の根本転換を迫る

 「御党だけは初めから一貫して維新と対峙してきた」(元民主党衆院議員)――日本共産党は府民のくらしをこわす維新政治に一貫して対決してきました。「大阪都」構想の危険な中身を明らかにし、「身を切る改革」といいながら税金での海外視察をくりかえし、松井知事も「退職金廃止」したものの毎月の給与に乗せていることなど、ウソとペテンを明らかにしてきました。「カジノよりくらしの安心・希望を」「ゼネコン浪費の巨大開発をやめ、防災対策を」など本物の改革の方向を示しています。その活動が「反維新の共同」を発展させる大きな力になっています。

③「市民と野党の共闘」を提唱し、貫く党

 2015年9月に「安保法制(戦争法)廃止の国民連合政府」を提唱して以来、「市民と野党の共闘」が広がりました。2017年総選挙でも、日本共産党が「野党候補一本化」へ、身をもって共同を貫いたことが、立憲野党勢力全体を伸ばす結果をつくりました。

 日本共産党は、国政も大阪の政治も共同で変え、すすめることを根本方針にしています。

 この党が国政でも、大阪府・市議会でも伸びてこそ、「安倍政治」「維新政治」を根本転換し、「市民と野党の共闘」「反維新の共同」をさらに大きく発展させることができます。

 日本と大阪の政治を変えるために、ごいっしょに歩もうではありませんか。

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